晴れる心 ページ36
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『…硝子さん…』
「その様子だと、虎杖のことだよな」
『…はい』
雨に濡れることも気にせず、私の隣まで来た硝子さん。
「服、濡れますよ」と言うと、「着替えりゃいいでしょ。それに、ずぶ濡れのアンタが言うな。」と返されて、何も言えなくなってしまった。
「…つい先程、予想外なことが起こった」
『!!』
どういうこと…?
勢いよく硝子さんの見る私をみて、彼女はニヤリとして言った。
「私にとっては。…だけどね?」
『…?』
「安心していいんじゃないか?虎杖のこと」
『…なんでですか?仲間が死んだのに…』
そう、もう悠仁は戻ってこない…。
なのに…どうして?
どうして硝子さんは、「私にとっては」って強調して言ったの?
他の人はそうでも無いことだった…?
予想外って……?
疑問が湯水の如く溢れ出てくる。
不安が残ったままの私を他所に、
硝子さんは少し楽しそうな表情をしていた。
「もう少ししたら分かるさ」
ニッと硝子さんは私に微笑む。
ふわふわとする感覚と、胸にストンと収まる謎の安心。
やがて雨が止み、黒い雲が去る。
高専には日光が差し込んでいた。
「おっ。雨、止んだな」
「そう、ですね…。」
「思ったより濡れたなー。お前も早く着替えろよ」
「風邪ひいても何もしてやらないぞ」と、
やっぱり何処か楽しそうなんだよな…。
…硝子さんって、何か辛いことがあっても
いつも通りに接することができる、そんな強い人なのかな。
かけてもらった言葉の意味は、
まだちゃんと理解は出来ていないけど…それでも。
『……あの、安心していいという言葉…
私は、意味をまだちゃんと理解出来てません。
でも、信じたいです…その言葉を。
_呪いの王の器を持つ…あの優しい馬鹿を、
信じてみてもいいですか』
硝子さんは目を見開いて、「フハッ」と眉を下げて笑う。
そして、「あぁ。信じてろ」と私を見て応えてくれた。
それから彼女は、手をヒラヒラと振って
校舎へと戻って行った。
『……私も、野薔薇ちゃんと恵の所に行かなきゃな』
硝子さんが戻ってから、直ぐに私も
二人の所へとその場を後にした。
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御堂に続く階段に二つの男女の人影を見つける。
『…2人とも、任務お疲れ様。』
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舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ 応援してます٩( ᐛ )و (7月8日 15時) (レス) @page33 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 絵がうますぎます! (6月8日 6時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
松野星月(プロフ) - 続き楽しみ!早くみたい (2022年12月30日 12時) (レス) @page37 id: 7e5eb61c5c (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 最後不意打ちでナナミンの「シスコンはクソだ…」にまじで吹いてしまいましたwww笑いを提供してくれてありがとうございます! (2021年12月28日 22時) (レス) @page48 id: dd9bdc737b (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - ariaさん» 笑ってもらえて良かったです!笑笑 (2021年4月7日 22時) (レス) id: 6023f727dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:saya20071025 | 作成日時:2021年1月21日 20時