【黒○】もう我慢、しないから【悪女主】

story 4 ページ5

主人公side






事の始まりは全て、あの子が転校してきた事だった



三学期初め、転校して早々バスケ部に入りたいと言う谷原柚萌

何も知らなかった私は勿論、即OKを出し

一緒に赤司君の所まで行った



この時点で、私の不幸はもう決まっていたんだ



『ゆーめちゃん！一緒に部活行こ〜!!』


谷原「うん♡いいよぉ、いこっ！」


桃井「A〜、柚萌ちゃ〜ん、私も行くー！」




普通に部活に行って、普通に帰る


平和だった


でもその近郊は崩れ始めた


『スポドリ作ろー』

桃井「おっけー！行こ、柚萌ちゃん！」


谷原「えぇ、やだよぉ〜。柚萌、水仕事したくないもん」









『でね、その後大輝がね…』

赤司「彼奴は馬鹿なのか？」

『あはは』


谷原「…………」ｷﾞｯ









『そう言えば柚萌ちゃんさー(谷原「あのさぁ」


えっ？』



谷原「A調子乗ってない？」



それからは早かった


事はトントン拍子に進んで行き、私は只の悪者になった




谷原「Aがぁ！うっ……あぁ…、痛いよぉ…ｸﾞｽｯ」



カッターキャーと言うらしい



言ってしまえば








私は陥れられたのだ




でも私は信じてた

そしてそれと同じように、皆も信じてくれてる……と思っていたんだ



でも、無駄だった


無駄無駄無駄無駄無駄




何で




私は何をしていたんだろう


この一年間、いや

一二学期、私は何をしていた？





皆は簡単に裏切った

その場の状況で判断し、裏切ったんだ



それからは今日のような扱いを受け始めた



先に来てスポドリやタオルを用意して、皆が来たら隠れて柚萌ちゃんが用意したように見せかけろ、と言われた


脅されたんだ


良い子アピールの為に皆に柚萌ちゃんがクラスには広げないで

と言った



だからかろうじてクラスには噂が広まっていない


それを逆手にとって、脅してきた



これ以上嫌われない為にも、私は了承せざるを得なかった




───────────────

『って言う訳で…』

花宮「…成程」


『ってごめんね。こんな話真には関係ないのに！聞いてくれてありがと。また…』


またね、そう言おうと思ったけど

真が私の頭に手を置いたからやめた


『…真？』


花宮「我慢しなくていいんだぞ」

『……え』




私が一番欲しかった言葉を、彼はくれた


無意識に頬を涙が伝う


優しく私の頭を撫でてくれた彼は、私の世界で誰よりも優しかった

story 5→←story 3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す