問題児2人と保護者1人。ただし最強。

参拾壱話 ページ40

　
　
　
こわす………壊す？


『さ、悟くん！待って！』

「A、危ないから離れていよう」


傑くん違うって…！


ｽﾞﾝｯ ﾊﾞｷﾊﾞｷﾊﾞｷ))


「助けにきたよ〜。歌姫」


一足遅かったか…


「泣いてる？」

「泣いてねぇよ！！敬語！！」


あ〜あ…


『また煽るようなこと言って…、あれ？傑くんは？』

「夏油なら先輩のとこ。呪霊捕まえたら行こ」

『ん。わかった』


突然庵さんの背後に現れた呪霊を傑くんの呪霊が取り込む


あぶな…


今かけ寄るとこだった


「いい反射神経してんじゃん」

『ありがと…行こうか』

「悟、弱い者イジメはよくないよ」

「強い奴イジメるバカがどこにいんだよ」

「君の方がナチュラルに煽っているよ。夏油君」

「あ゛」


…この光景さっきも見た気がする


「歌姫センパ〜イ。無事ですか〜？」

『怪我してませんか？』

「硝子！国重！」

『心配しましたよ』

「2日も連絡なかったから」

「アンタたちはあの2人みたいになっちゃ駄目よ！！」

『アハハ……』


僕はなんとか庵さんからの抱擁を回避する


まぁ、さすがに


男子高校生ですから


悟くんと冥さんが結界での時間のズレについて話していた


やっぱり時空を歪ませる結界は厄介だね


「それはそうと君達、“帳”は？」

「「「………………」」」

『だから待ってって言ったのに…』

「気づいたなら言えよ！」

『待ってくれなかったの悟くんでしょ』

「ゔっ」


さて……これはどんなニュースになることやら




　
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現在高専の玄関にて正座中


「この中に“帳”は自分で降ろすから、と補助監督を置き去りにした奴がいるな。そして“帳”を忘れた……名乗り出ろ」


傑くんと硝子が悟くんを指さす


僕も指さしこそしないものの、悟くんを見て苦笑した


「先生！犯人探しはやめませんか⁉」

「悟だな」


夜蛾先生即答だ


そして悟くんの頭には指導と称した拳骨が落とされた


『痛そう、だね』

「無限張っときゃ良かった」

「そんなことしたら余計に何されたかわかったもんじゃないだろう」


反省する気はなさそうだねぇ


「そもそもさぁ、“帳”ってそこまで必要？」


……え？
　
　

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