問題児2人と保護者1人。ただし最強。

弐拾肆話 ページ31

　
　
　
『……あの』

「まだ黙っていなさい」

『はい……』


今僕は万里さんの前で正座中です…


いやまぁ、この家ではいつも正座だけど


何を言われるかヒヤヒヤしながら待っている今日此頃です…


「A」

『は、はい』

「怪我はしていないのだな？」

『え、えぇ。かすり傷ひとつありません』

「そうか」


万里さんが僕に近づく


未だに大人が自分に近寄るのは怖い


それでも万里さんの瞳は優しい光を帯びていて、僕の心はするすると解けていった


「良かった。お前が無事ならそれでいい」

『……すみません』

「大丈夫……御三家に見つからなければいいんだ。五条悟を除いて、だが」


…悟くんは、本当に僕を知らないんだろうな


僕だって【五条悟】という名前は知っていても、顔は全然知らなかった


御三家の人たちに会った覚えはないし、家に僕の写真なんてなかっただろうから気づく人などいないはずだ


僕が、僕だけが気をつけていればいい話なんだ


……はぁ


せっかくこの一年は平穏で終われると思ったのに


前途多難過ぎる……





　
　
　
　
　
　
　
　
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〜小咄〜
　髪を切ったAを見る直前のさしす


「硝子、Aは？」

「部屋にいる」

「…帰ってしまったのか。出てこないかな」

「あ、アイツの髪なら私がもう切った」

「は？オイ硝子マジふざけんなよ」

「ふざけてねー。国重が頼んできたんだからいいでしょ。うまくできたし」

「ハッ、どうだかな。気に入らなかったら直す。うまくいってたら金払ってやるよ」

「言ったな」

(Aならどんな髪型にしても似合いそうだけどねぇ……)

「夏油は？」

「ん？何が？」

「金」

「……多分似合ってるだろうから辞めておくよ」

「チッ」

「褒められたいのか貶されたいのかどっちなんだい……」

　
→結果、家入硝子WIN
　
　

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