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僕等が訪ねた本丸は何故か風の音が聞こえるほど静かだった…。、
「鶴丸さーん!加州さん!!」
不思議に思ったのか悠二が大きな声をあげる。それでも反応は帰ってこない。
横から流れてくる硝子の煙が意味ありげにその場を漂う。
「にしてもホントに立派なお屋敷だな」
「誰も居ないのかな…」
「上がらせてもらいましょう」
恵の言う通り、襖を通ってから一歩も動いていなかった僕達は屋敷の方へ歩き出す。
人の気配のしない大きな屋敷程不気味なものは無いが、異様なくらい生き物の気配がない。
中庭らしきところを通り、廊下を進んでいく。
こんなに広かったんだ。なんかいつもいっぱい人がいるからそんなに大きく見えなかったけど、こうして見ると凄い家だな。
「旅行にでも行ってんのかな…」
「何の連絡も無しにか?」
悠二の楽し気な考察に恵は冷静にツッコむ。確かに、何も言わずに出ていくなんてことも考えずらい。
大きな部屋の前に辿り着いたが、ここまで来る間にも誰とも遭遇しなかった。
こんなことってあるのか?と顔を見合わせながら取り敢えず目の前の襖を開け放った。
「何が、起こってる?…」
目の前に散在する大小さまざまな大きさの刀。
これは一体………
本丸に入ってから呪霊や呪力は感じなかったから、そういう類ではない。
では何故刀がそのまま床に散らばっているのだろうか。
「これって皆かっ!?人じゃなくなってる??」
「異様な静けさはこのせいか」
「どゆこと?」
微動だにしない刀を見て皆戸惑いを隠せないようだった。僕はここで、彼女の能力について思い出していた。
確か…モノの思い、心を目覚めさせる。って言ってなかったかな。
「審神者の力が解けてる??」
そうとしか思えない。つくもがみ?だっけ、神様が姿を保てないなんてそんなわけ無い。
力の源であるA側に何かあったんだ。
「呪霊に襲われた…とか、」
「いや違うね恵。襲われたぐらいじゃ負けない筈。Aが誰かに捕まってるか…」
「ヤバイじゃん先生!」
僕の方を見て慌てる生徒達。うん、落ち着こうか。
あ、セルフィしとく?(最低)
「誰がやったかも分からないんじゃ捜索は難しいぞ」
硝子の言うとおり、そこが一番の問題点だ。
だが、微かにナニかが視界の端でカタカタと動いたのを目で捉えた───────
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さんふね(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラウィッチさんコメント有難うございます!今の所オチは決めてません。。オチを作る予定が無かったもので…五条さんコールが強ければそのようなお話になるかと思います(´▽`)これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年7月13日 20時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年7月12日 0時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - 皐月さん» 皐月さんコメント有難う御座います!更新速度が落ちているこの作品ですがそのように言って頂けて有り難いです。これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年4月23日 16時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
皐月 - 私の中で「どなたか書いてくださらないかなぁ」と、ムラムラ(笑)してた呪術廻戦と刀剣乱舞のクロスオーバー。神作品を書いてくださり、本当にありがとうございます!御無理はなさらず、更新頑張って頂けたらこれ幸いです^ - ^ (2021年4月14日 22時) (レス) id: d0dd666c8e (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» コメント有難う御座います!とっても嬉しいです!!有難う御座います!(大声)今後とも宜しくです (2021年1月27日 23時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんふね | 作成日時:2021年1月24日 21時