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Aside
ふと、目を覚ますとまだ外は薄暗く、部屋の中もひんやりとした空気が流れていた。
隣を見ればすやすやと寝息を立てるめめくんの姿。
布団の下は互いに一糸纏わぬ姿で、昨日の情事の色を色濃くうつす。
起き上がるとギシッとベッドが悲鳴をあげる。
規則正しい寝息を立てるめめくんの髪をそっと撫でる。
微かな熱が指先を通して伝わってくる。
このままずっと触れていたい、そんな気持ちになるのを必死に抑え、めめくんの髪を撫でるのを手を止めた。
「めめくん」
ん、と微かに声が聞こえたような気がしたが、めめくんの顔を見ればそこには変わらぬ寝顔があった。
「好きだったよ。幸せになってね、」
ありがとう、そう言い終わると小さく唇を重ねた。
はじめは、ただ寂しさと不安を埋めるだけの、体の繋がりだった。
割り切れていると自分自身でもそう思っていた。
それがいつだっただろうか。
自分の中にめめくんを思う気持ちが芽生えていると気付いたのは。
都合のいい関係を望んだのは私だったはずだ。
もう潮時だと、何度も頭の中で警鐘が鳴った。
そのたびにもうやめようと何度も思ったが、めめくんの声を、熱を感じるたび、どうしようもできない感情に襲われた。
私はもう一度めめくんの腕の中に戻り目を閉じた。
こういう風にめめくんの体温を、呼吸を感じながら目を閉じる。
次に目を覚ましたときには、もう終わりへのカウントダウンが始まる。
「ごめんね、めめくん」
溢れ出す思いを必死に塞きとめるが、言葉の最後が小さく震えた。
そんなこと思う資格は私にはないはずなのに、どうして涙が溢れるのだろう。
�茲を伝う涙をそっと手で拭う。
もう見て見ぬフリはおしまい。
今日で全て終わり。
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さーや(プロフ) - いちごみるくさん» あぁもうすごくわかる―!フラフラしててもちゃんと戻ってくるしょぴの安心感・・・ (2020年2月12日 12時) (レス) id: 631bd59892 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - ひよさん» めめ報われて欲しいですよねぇ・・・なんか書いててめめが可愛くて仕方なくて。しょぴ落ち・めめ落ち両方作りたいと思っています・・・! (2020年2月12日 12時) (レス) id: 631bd59892 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - ;_;)/さん» コメありがとうございます!しょぴ幸せになって欲しい方多いですね〜書いてる私もしょぴ幸せになれ、と思ったりなんだり。笑 どちらの結末も書こうと思っているので、長くなりますがお付き合いいただければ嬉しいです〜 (2020年2月12日 12時) (レス) id: 631bd59892 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - 覇瑠さん» コメありがとうございます!ブロックするところ、上手く伝わったかな〜と不安だったのでそう言っていただけて嬉しいです。個人的に2人とも幸せにしたいので、しょぴ落ち・めめ落ち両方作りたいと考えてます・・・! (2020年2月12日 12時) (レス) id: 631bd59892 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - てゃんさん» コメありがとうございます!ほんと2人とも幸せになって欲しいですよね…書きながら、心苦しくなります。笑 ちょくちょく更新していくのでまた見てください! (2020年2月12日 12時) (レス) id: 631bd59892 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さーや | 作成日時:2020年2月8日 11時