うそつきとキス 2

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Shota side


仕事が終わったのは、0時を当の昔に過ぎていて、時計をみた瞬間に疲れがどっと沸いた。
忙しいのは有難いことだけれど、その反面で身体には少しずつ疲弊した気持ちが蓄積されていく。


ここ2週間ほどは、Aにも会えていない。
そのせいもあって、余計と俺の心はどんよりと淀んでいた。




「なぁラーメン食いたくね？」

そう言ったのは俺が先だったか。それともふっかが先だったか。
俺たちは帰り支度を早々に済ませると、ラーメン屋へと足を向けた。



ラーメンが出てくるまでの間、仕事の話やらここ最近のことを笑い交じりに話合う。


「最近、Aちゃんとはどうなのよ？」

ふっかは茶化すようにそう笑った。
最近もどうもこうも、あの日を最後に会えていない、と伝えるとまぁ仕方ないことだよな、と2人の間になんとも言えない空気が流れる。




「あ」


俺がそう声を上げると、ふっかはなんだよ、と眉間にシワを寄せこちらを見てくる。




「結婚しよっか、って言った。俺。」



最後にあったあの日、玄関で見送るAに思わずそんなことを言ったことを思い出す。
あの日からメッセージを交わすことはあってもAがそのことに触れることはなかったし、俺もあえて触れるようなことはしなかった。




「はぁ？！結婚？？！」




ふっかが勢いよく立ち上がったせいで、椅子がガタン、と大きく揺れた。
あまりの声にカウンターの奥にいた店員さんがこちらに怪訝そうな視線を投げている。

あまりに驚くふっかにまぁ座れよ、と声をかける。
ふっかはまだ動揺しているのか、水を勢いよく飲んで見事にムセこんでいる。





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