24日目 ページ26
夕方
見廻りを終え、病院でAを探すが見つからない。
彼女と仲の良いガキや、老人に聞くも最近は会ってないという。
医者や、婦長に聞くと、話しずらそうに目を背けられた。何かあったのか問い詰めると、
「土方さんは木本さんと仲が良かったから聞いていると思ったんだけど・・・あの子ね、元気そうに見えていたけど、あれでも身体が悪くなってるの。本当は寝てた方がいいんだけどね、あまり時間が残されてないから、好きにさせているのよ。」
「なっ!?」
「実験はまだ終わってないんだよ。
彼女の体内にはウイルスが入っていて、じわじわと時間をかけて蝕んでいるんだ。」
やり切れないよ。あんないい子が・・・とつけ足した2人は親の顔をしていた。
俺はまた、惚れた女を亡くすのか?
愕然とする。理解が追いつかない。
思考がまとまらない俺に医者が切り出した。
「あの子が死なずに済む方法が無いわけじゃないんだが」「っっ何だ?!」
「彼女が捕まっていた実験施設にワクチンがあるかもしれない。ただ・・・
これには幕府が、定々公が関わっている。頭を突っ込みすぎない方がいい。」
土方さん、貴方は新選組の副長なら尚更だよ。
この言葉が俺に重くのしかかった。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくら | 作成日時:2019年9月29日 0時