【名探偵コナン】それ、疲れません？【降谷零】

Case5 ページ6

被害者の女性を送り、

その部屋の前に誰もが待ち伏せていないことを確認し、さてさて帰ろうか…と、

なることを願っていたのだが、



「あ〜〜〜！！トイレ行くの忘れたァーーー！」



と、

私の巻き込まれ体質の元凶ともいえる死神………ゲフンゲフン…

江戸川コナンくんが大きな声を挙げた。


女性は少し躊躇いながらもトイレの貸し出しを承諾し、

部屋の鍵を開けた。




(……あれ)


開け放たれた扉から微かに香る匂い。

なんだか、生臭いような…。


部屋にあげてもらい、通されたのはリビング。

そこには宴会でもしていたのだろうか、

いくつかの空き缶、空き瓶、おつまみの残りがあった。



「私、片付けるの手伝いましょうか？」

『あぁ、私も』

「え、じゃあ…お願いしようかしら」


ごみ袋を受け取り、空き缶を１つ手に取った時だった。


"本日午後４時頃、米花町5丁目の毛利探偵事務所のトイレの中で……"


「ウソ…もうニュースになってる」

「そう、みてーだな…」


どうやらマスコミは嗅ぎ付けるのが早いらしい。


『……梓さん、なんか事情とか聞かれてそう』

「十中八九、聞かれてるでしょうね」


二人で渇いた笑い声を挙げていると、

ふと、携帯が鳴り響いた。

そのディスプレイには、


『……世良ちゃん』


通話ボタンを押し、携帯を耳に当てた途端、


"な、なんで電話出てくれねぇんだよぉぉぉおお！！！"


耳がキーンとなるほどの大音量。

破れる、鼓膜破れる。


"蘭くんも電話でないし、今日蘭くんのところに行くって言ってた君ならもしかしてって思っても出ないし…"

『あー、それはー……ごめん』


世良真澄。

ここ最近、帝丹高校に転校してきた女子高生探偵。

推理はもちろん、腕っぷしもかなりある。

なんだかコナンくんや蘭ちゃんをよく気にかけたり、絡んだりしている。

もちろん、私も例外ではないようだ。


"と……ろ、コナン………や…五郎……無事……のか？"

『え？なんて？
すごい電波悪いんだけど……なんて？』


ブツリ、ブツリと切れる世良ちゃんの声。

おかしい。


違和感に気がついたとき、

安室さんは私の携帯を取り上げ、通話終了のボタンを押した。


『安室さ…』

「もしかしたらこの部屋…盗聴されているかも…」

「えぇ！？」


やっぱり。

かつて新一に教えてもらったことがある。

あの推理オタクのせいでいらん知識がついてしまった。

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