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Case32 ミステリートレイン ページ33

「バーボン……。

このコードネームに聞き覚えはありませんか?」


影に隠れ、

安室透こと、バーボンの声に耳をすませた。


煙で姿は見えないが、

バーボンの目の前には、誰か人がいるらしい。



(どうして、)



どうして貴方が、黒の組織に…。



(どうして、じゃない)


一体、なんの目的で、


(ポアロで働きたいといったのは、毛利小五郎の弟子になるため…)


なら目的は蘭ちゃんのパパさん………いや、



"えぇ!?毛利探偵事務所に送ったじゃと!?
先週のキャンプの映像をか!?"



その映像に写っていたのは、

少年探偵団と、それを助けた一人の女性…。



「えぇ、知ってるわよ」



おそらくその女性は、



「お姉ちゃんの恋人の諸星大とライバル関係にあった組織の一員…」


今、バーボンの前に立っている彼女だ。


(安室さんが蘭ちゃんのパパに近づいたのは、彼女を探すため……)


そう考えて、

ズシリと体が重くなるのがわかった。








(全て、演技だった、のかぁ……)



蘭ちゃんのパパを慕うのも、

私や梓さんに見せるあの眩しい笑顔も、

ストーカーから助けてくれたあの優しさも、



"Aさんと、もっと仲良くなりたいんですよ"






(全て、組織の任務を全うするため)





ズルズルと壁を伝って腰を降ろし、

力なく、顔をうつむかせた。




(………こんなに、落ち込むとは…)




まだ出会って数日のはずなのに、

随分と絆されたようだ。




「お姉ちゃんの話だと、お互い毛嫌いしてたみたいだけど…」

「えぇ…。僕の睨んでいた通り、あの男はFBIの犬でね。

組織を裏切ったあと、殺されたってのがどうにも信じがたくて」








「あの男に変装し、あの男の関係者の周りをしばらくうろついて反応を見ていたんです…」




男の、変装…。


その言葉で思い出したのは、

廊下ですれ違った、火傷をおった男だった。



(あれが、FBIの犬の顔……?)



「お陰で、あの男が本当に死んでいるということがわかりましたけどね」



カチャッ…とプラスチックの音が響いた。



「君がここに現れたということは、君に恐怖を与える効果は十分にあったようだ…。



さぁ、手を挙げたまま移動しましょうか。

8号車の後ろの、貨物車に」

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ソーダ愛す - ヤバい、面白すぎる...!個人的におジャ魔女とひょっこりはんがツボでしたww (12月13日 21時) (レス) @page49 id: 73c730aa71 (このIDを非表示/違反報告)
テトノ - 初めまして、とてもおもしろいです!!!はい、ひょっこりはんの所がとくにおもしろかったです (2022年4月10日 12時) (レス) @page44 id: 766cae026c (このIDを非表示/違反報告)
いつも楽しみに読んでます!更新頑張ってください! - ライ (2018年10月14日 9時) (レス) id: a0ae5a4b08 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、面白いですヽ(*≧ω≦)ノパルクール出来る女子高生とかカッコいい!安室さん推しな感じも最高です♪ 正にドキドキハラハラな展開も良いです(*´艸`*)ひょっこりはんも笑いました(笑) (2018年6月13日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あおいさん» ありがとうございます!続編の方、読みました。教えていただき、本当にありがとうございました。 (2018年5月13日 8時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2018年4月7日 22時

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