【実.況者】俺らの幼馴染みが馬鹿すぎた件【最/俺】 (ページ32)

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#32 -ヒジキ組レトルト- ページ32

前回の続きです

私の風呂は男並に早い。
パッと体と髪を洗い、パッと湯船につかったら、ドライヤーなんてものは使わずに出てくるからだ。

私は自販機で買ったオレンジジュース片手に1人で外で涼んでいた。
季節が季節だ。少し寒くなり、部屋に戻ろうと立ち上がったとき…。
変な男達に絡まれた。

「ねぇ…俺らの部屋来ない？」

いわゆる“ナンパ”をしに来たのであろう。
金髪な上、風呂上がりにメイクを直したからわりとかわいい白ギャル風の子が1人でいるのだ。
私だってそんな子がいたら声をかけたくなる。

「ねぇ、いいじゃん」
「お姉さんノリ悪いよ？」
「俺らただ遊びたいだけだから」

そんなようなことを散々言われる。
私は断ろうかと思ったが、時すでに遅し。
腕をガッと捕まれる。
私はびっくりして逃げ出そうかと思ったが、小中学生のときに習っていた護身術なんてまったくできなかった。
ただ、恐怖という感情が襲ってきた。

『いやっ…。助けて』

私が小さくそう呟くと、ヒーロー登場なんてベタな展開あるわけない…。

キ「おめぇら何してんだ。あぁん？」

ベタな展開ありましたね…。
しかも相手は北ヤンことキヨくん。
口喧嘩でキヨくんに勝てるかなぁ…。

「「「さーせんっしたぁあ！」」」

私が考え事をしているとそいつらは頭を下げ、どこかへと行ってしまった。
キヨくん…何したの？

キ「A、もう離さねぇ」

キヨくんは私を強く抱きしめる。
離さねぇと言ったキヨくんの声は落ち込んでいた。
風呂上がりのキヨくん温けぇ。
そんな感じでいいムードができつつあったそのとき。

ヒ「あれぇ？何してんの？」

レ「ちょっ！キヨくん！？」

特徴的な癒し声と特徴的な鼻声が聞こえてくる。

『あ、ちょっとこれ退かして』

私はキヨくんを指す。
ヒラくんとレトやんはキヨくんを剥がしてくれる。

『ありがと助かった。…ところでフジくんは？』

ヒ「あそこ…」

そう言って指さした場所には、ベンチに体育座りするフジくんの姿が。

フ「Aが、Aがぁ…」

そこまでショック受けることか？
本当こいつらの子守り大変だよ。
このメンツの旅行とかただのカオスだよ…。

続く