【実.況者】俺らの幼馴染みが馬鹿すぎた件【最/俺】 (ページ30)

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#30 -ヒラ- ページ30

最俺ハウスで、ヒラくんは酒片手に私を呼ぶ。

ヒ「AちゃんAちゃん」

『ちゃん付け禁止だって言ったじゃん』

未だに“Aちゃん”呼びをしてくるヒラくん。
高校のときに矯正したんだけどな。

ヒ「ごめん。で…彼氏いるの？」

ヒラくんは唐突にそんなことを言った。
我彼氏いないんだよっ！なんだよ。ムカつくな！

『絶賛募集中だよっ！』

吐き捨てるようにしてそう言う。
ヒラくんは苦笑している。

ヒ「じゃあじゃあ、男の免疫ある？」

開き直って笑顔でそう言うヒラくん。
なんか笑顔がサイコパス…。

キヨフジと違って面倒な性格をしてるわけではないヒラくん。
正直に言っても問題ないだろ。

『男の免疫くらいめっちゃあるよ』

ヒ「ふーん。じゃあこういうことしてもドキドキしないんだよね…？」

ヒラくんは私の耳元でそう囁いた。
そしてそのまま後ろから抱きしめられ
る。
心臓がドクッと跳ねた。

ヒ「どぉ？ドキドキする？」

色っぽく言うヒラくんにさっきからドキドキしっぱなしだ。
いつものヒラくんじゃないギャップに萌える。

『ヒラくん…そろそろ離して』

ヒ「嫌だ」

ヒラくんはより一層強く私を抱きしめ、肩に顎を置いた。
そしてわざとらしいリップ音を立て、私は頬にキスをされた。

『ちょっヒラくんっ！？』

ヒ「Aー。こっち向いて」

後ろから抱きしめられていた私はくるっと向きを変えさせられる。
ヒラくんが抱きついてきた重みで私はバランスを崩し、押し倒されている状況になる。

『ヒラくん…？』

ヒ「A…かわいい」

ヒラくんは私の頭を撫で顔を近づける。
キスされると思い目を閉じたが、何も起こらない。
不思議に思って目を開けると、ヒラくんは寝ていた。
ヒラくんは私の上で寝てしまっている。そのため私は動くことができない。

『はぁ…』

酒に酔ったヒラくんほどかわいくて面倒な人はいない。
さて…酒癖の悪いヒラくんをどうするかな。