#26 -バイト組- ページ26
病み上がりの体で最俺ハウスに来ている理由。
それは、フジくんとヒラくんにどーしても相談したいことがあったから。
この前のキヨくん、どう考えてもいつものキヨくんじゃなかったんだよな…。
先週のキヨくんのことをフジヒラに話すと、2人はフリーズした。
…え、何で?
『フジくん?ヒラくん?』
フ「マジかよ…」
ヒ「嘘でしょ…」
2人はロボットにでもなったのかのように目は死んでいて、同じようなことを呟いている。
もはや、その辺の映画よりホラーだよ?
『ねぇ…大丈夫?』
私は2人のおでこにデコピンをする。
すると…目に光が戻り、独り言が止まった。
フ「A、それ本当にのこと?」
『うん』
ヒ「Aって、誰でもいける人?」
ヒラくん、なんか勘違いしてません?
私の相談内容は“キヨくんにキス(深いやつ)されたんだけどこれからどう接したらいいの?”だよ…?
『誰でもいけるわけないじゃん。キヨくんが風邪の勢いでしてきただけだもん』
フ「じゃあ、俺でもいいの?」
ちょっと待って。人の話し聞いてました?
私はまた反撃しようとしたら、フジが顔を近づけた。
『ちょっ…フジくん?』
フ「いい?」
いいわけなかろう。
いいムード作ってる感あるけど、隣にヒラくんいるんだからね!?
私はフジくんを押し返そうとする。
すると、大天使ヒラエル様が降臨した。
ヒ「フジ、やめときな?風邪の勢いなんだったらキヨも記憶ないよ…きっと」
『ヒラエル様ぁっ!』
私はヒラエルに抱きつく。
フジくんは悔しそうな表情を浮かべていた。
ヒ「明日キヨと話したら?」
『うん!そーする』
私がヒラとピンクっぽい雰囲気になった頃、フジが私の頭に手を置いた。
フ「ごめん、ちょっと調子乗った」
そう言って微笑んだフジくんはどこの誰よりも美しかった。
その美しい顔を台無しにしようと、私はヒラくんから離れ、フジくんのほっぺをつねってみた。
フ「いひゃい…」
…かわいい。癒しだわぁ。
ヒ「もしもし?明日暇?」
ヒラくんは自由人なのか、急に電話をし始める。
あれ?…もしかして……。
私は嫌な予感がした。
ヒ「Aー、キヨ明日会ってくれるって」
やっぱりか。
大体そんなことだろうと思ってはいたけどね…。
私が『なんでそんなことするの?』って聞いたら、「いつものお返し」って言われた。
ヒラくんはかわいかったけど、明日キヨくんと会うって思っただけでまた風邪引きそうになった。
…“風邪引きそう”ってか、“風邪引きたい”わ。
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作者名:紫燕-sien- | 作成日時:2019年11月28日 12時