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「他に何か欲しいものは？」
「んー……パッとは思いつかな――あっ、幻覚！ 幻覚を瞬時に見破るというか、封じる？ 能力がほしいです」
「だろうね」
どうやら神も幻覚、幻術は厄介だと思っていたようだった。また神が指を鳴らす。これでAは幻覚かそうでないかをはっきりと見破ることが出来るようになった。
「次は？」
「アルコバレーノのだとバレないようにしたいです」
「わかった。力を少し抑えることになるが大丈夫か？」
「バレないのなら！」
「わかった。他には？」
「武器！ が欲しいけど、あんまり殺傷能力があるというか、斬ったり撃ったりとかはしたくない……かな……」
「そんな気はしていたよ。両手を出して」
Aが言われた通り両手を出すと、神が指を鳴らす。
するとAの手の上に警官が持っているような警棒が現れる。
「警棒！ 確かに斬ったり撃ったりは出来ないですね！」
「凡そ普通の警棒だと思ってくれていいよ。でもそこのスイッチを押すとスタンガンの用に電流を流すことが出来る。その電流を逆に使われては元も子もないからね。君が押した時にだけ電流が流れるようになっているよ」
「護身用武器のトップみたいですね……ありがとうございます！ あと二つか……」
「今すぐ決めなくていいんだよ。後からでもいい。私と連絡はいつでもできるからね」
「そうなんですね。ありがたいです」
警棒を持ったままAはほっと息を吐く。
自分の境遇を知り、無条件に頼ることのできる存在がいるかいないかでは気の持ちようがかなり違ってくるのだろう。
息を吐いてからAははっとした表情を見せてから神の方を向いた。
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作者名：うがつ | 作成日時：2022年9月18日 16時
