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ざまぁ見ろ。そう言って紫雷(名前)はくずおれた。失血で青ざめている彼女の前には、悪事を全て露にされた夢柱の額田(ぬかた)藤子(とうこ)。悲鳴嶼と不死川以外の、比較的軽傷で隠に搬送されていない柱は皆、洗脳から解けた感覚に顔から血色を失っていた。悲鳴嶼と不死川は必死に(名前)の止血をする。血が止まらないことを、手を濡らす体の内部の熱さをもった血液が伝えてきた。
「…師範!」
凍てついた場をひび割れさせるような声が響き渡る。その声の主は(名前)が継子として可愛がっていた獪岳だ。
「どうして庇ったんですか!あんな、師範の人生を食い潰す寄生虫庇わなきゃ良かった!
…返せよ。師範の人生、師範がてめぇらに砕いた心を返せよ!」
立場が上だとか、そういったことなど彼の頭からは完全に抜けている。いつも人当たり良く(名前)の後ろをついてきていた獪岳は、激情を隠すことなく、喉が張り裂けそうなほど強く叫んでいた。誰も、何も言えない。響いていたのは歓喜の声ではなく雷鳴のような慟哭だった。


オリキャラが結構出る上にかなり人を選ぶ内容となっております。それでもいいという方はどうぞ。

時系列ふわっふわ。執筆状態:完結

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作者名:契 ゐと(元 いときち丸) | 作成日時:2022年8月8日 20時

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