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「おはよう。ね、ちょっと聞きたいんだけど。安心して、正直に答えてくれるなら、そんなにひどいことはしないから」
Aは目を覚ました二人の前に座り込んでそう持ちかけた。当然二人の表情は固い。
「……プレートは奪うんだろう」
「まあ、そういう試験だし」
「……ふん」
取り上げたプレートを見るに、さっきから口答えしてふてぶてしいのが165番、蒼白な顔で震えているのが208番だ。
「もう一度確認するけど、この人を知っているんだよね?」
Aが掲げた穴だらけの写真は、彼女がハンター試験を受けるきっかけになった男のものだ。
すなわち、暗殺の依頼者である。
「……」
「……実は知らない、と言ったら、どうする」
「今さら撤回するには遅いかな。正直きみたち以外で可能性があるのは294番くらいだし。そんなことを言う165番さんは、もしかして心当たりがある?」
「……」
65番はむっつりと押し黙った。それでは肯定しているようなものだ。
「もう一つ聞くね。ハンターになったら何をするつもり?」
「……」
「……」
「……わたしあんまり拷問得意じゃないから、無駄に痛いよ?」
「ち、珍獣ハンター、です……」
速攻で白旗をあげたのは208番だった。Aは少し苦笑してそっかあ、と相槌を打つ。
彼は外れだろう。
「で、そっちは?」
「……
Aは会心の笑みを浮かべた。
彼は――彼らは、本当に見込みのある人物なのだろう。勝てる見込みはないと悟って、一切の抵抗をしない。
だから彼女は解説をしてやることにした。
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海野(プロフ) - sakuさん» そのとおりですね。指摘ありがとうございます、記述を訂正しました。 (2019年4月9日 8時) (レス) id: 542ac62a81 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - すみません。ページ12で『白日の詐欺師』にも隠は効くっていうの、そもそもの能力発動条件をクリア出来てないんじゃないでしょうか?纏以外使えないという条件でしたよね?間違ってたらすみません! (2019年4月7日 12時) (レス) id: 7af2b9ccfb (このIDを非表示/違反報告)
海野(プロフ) - sakuさん» コメントありがとうございます。心外ピエロの作者と個人的に交流があるのですが、sakuさんがどちらにもコメントをくださっていてびっくりだねという話をちょうどしておりました。いいですよね。続編も続けられるよう頑張ります! (2019年2月3日 8時) (レス) id: 2600401e00 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - 心外ピエロ私もよんでるんですが…いいですよね!あと、更新お疲れ様です。相変わらずとても面白かったです。 (2019年2月2日 22時) (レス) id: ee214ae639 (このIDを非表示/違反報告)
海野(プロフ) - 操菜 荘椏さん» コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2019年2月2日 19時) (レス) id: 2600401e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海野 | 作成日時:2019年1月16日 13時