【H×H】ゾルディック家長女（偽）の道行

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四次試験会場までは船で二時間。

Aはその間に受験生たちに聞き込みをすることにした。気は立っているだろうがそんなことは気にしない。

といっても話を聞くべきはルーキーだけだ。その中でもゴンとキルアは除外していい。

彼女はまずトンパに誰がルーキーなのか確認した。

「今さらルーキーだぁ？ ……あいつとあいつとあいつと、あのガキ二人と、あいつとあいつと、あとあんただよ」
「……あ、そう。どうも」

ということはゴンとキルア、それから自分を抜いて五人しかいないのか。肩透かしを食らったAはぱちくりと瞬きをした。

「じゃあ一応ついでに、この人知ってる？」
「あ？ 知らねーな」
「だよね」

Aもまさかトンパが知っているとは思わない。彼女は手をひらひらと振ってトンパから離れた。

「この人知ってる？」
「いや……知らねーなぁ」
「じゃあきみは？」
「すまないが……」
「わかった。――ねえ、この人知ってます？」

「知っているが……？」
「あらびっくり。じゃあそこのあなたは？」
「……知っているが、それがどうした」
「それは困ったな……ああいえこっちの話です、ありがとう。……んー、ねえ、一応訊くけどこの人知って、あぶなっ」

全員に話を聞き終わったAは、ギタラクルの針で穴だらけになった写真をぴらぴらと振った。いまいち目的の人物を絞りきれなかったが、多いぶんにはまあいいだろう。

「だって、そろそろ人を殺さなくっちゃ」

目標は一点三枚だ。

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