Dodici ページ12
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どんよりとした雲が、嘘みたいに晴れていく。
それとは裏腹に、曇っていく俺の気持ちもあった。
雲間から差し込む太陽の光が、澱んだ世界を浄化していく。
暖かそうな陽光の眩しさに、俺は目をすがめる。
遠い街を、明るく照らし出した。
その輝きは、まだ俺には訪れない。
いつまでも突っ立っているわけにもいかないから、俺は帰ろうと振り返った。
「あ、」
足元に転がっているのは、間違いなく俺の傘。
全身ずぶ濡れになって、まるで泣いているみたいだ。
ごめんね、と謝りながら、傘を閉じる。
だんだんと光が満ち満ちていく。
俺はその様を感じながら、ひとり歩く。
いつの間にやら、普段通りの晴れやかな気分になっていた。
さぁ、帰ったらまずはシャワーに入ろう。
それから、パスタを茹でて食べよう。
せっかくだから、兄ちゃんも呼んでピッツァも一緒に。
そしてワインで乾杯しよう。
ドルチェには何がいいかな?
いっぱい寝て、明日のことはまた明日考えればいい。
そうして俺はまた、俺自身をゆっくり毒していく。
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箸レーゼ(プロフ) - モブキャラAさん» コメントありがとうございます…!!天才とはおそれ多いですが、楽しんでいただけて嬉しいです✨ 確かに夢ではあんまり重いお話ないですね……ゲスいのはちょくちょくありますけど() (2023年3月7日 7時) (レス) id: afe782e51a (このIDを非表示/違反報告)
モブキャラA - もう……本当に箸レーゼさんって天才なんですね……😇😇(???)重めのフェリちゃんの小説ってあんまり読んだことなくて、失恋のイメージがなかったんですけどこの作品読んでフェリちゃんにすっごく合うなって思いました!!!素敵な作品をありがとうございます!!!! (2023年3月6日 23時) (レス) @page14 id: cebb1c38ee (このIDを非表示/違反報告)
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