きらきらひかる ページ49
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「…その子は何?」
「上司のお孫さん。暫く預かるよう頼まれたの」
「ふぅん……頑張ってね〜」
ムスッとした表情を崩す事の無い彼を連れ、家に帰って来ると、神威は不思議そうな顔をしていた。
この男の事だから、文句のひとつでも言うと思ったけれど、存外そんなことは無かった。ただし、世話を手伝う気もないらしくヒラリと手を振って歩いて行ってしまう。
やっぱり様子が変だ。
「…あれがおばさんの旦那?」
「お、おばさんじゃなくて私は卯月Aだってば!」
「……」
「…そう、神威っていうの」
またもや『おばさん』呼ばわりされた事に憤るも、土方さんに注意された事を思い出して、ゴホンと咳払いしてから答えた。
湊月くんも神威も、お互い全然興味無さそうだったけれど。
「じゃあ取り敢えずご飯準備するから、待っててくれる?」
「作れるの?」
「Aは俺の為に作れるようになったんだよ」
「ちょ、」
静かにそっぽ向いていた癖に急に口を挟んできた神威。そういう事を子供の前で言う事が恥ずかしくて、睨む。
すると、唇を尖らせはしたものの、またそれ以上何も言わなくなった。
「とにかく、その辺に座ってて」
気になる事しか無いけれど、気に病んでも仕方がないから料理に没頭して、煩悩を追い出す事にした。
*
「はい、どうぞ」
テーブルに皿を並べていく。ふと、それを見る湊月くんの目が、きらきらと輝いている事に私は気が付いた。
「…うわぁ……」
その輝きは見間違いじゃなかったみたいだ。湊月くんの口から、呟きが漏れた。
…これは、『感嘆の声』だと解釈しても良いのだろうか。
私の視線を感じてか、湊月くんは慌てたように下を向いた。
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頑張ってください - ああああああああ久々に読んだら進んでてまた神威熱が… (2020年1月6日 1時) (レス) id: ac6d87c707 (このIDを非表示/違反報告)
自己満者 - 京篇凄い良くて、泣いちゃいました(笑)更新頑張って下さい! (2019年8月17日 15時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - むくさん» コメントありがとうございます。時間をかけて丁寧に書いたシーンなのでそう言っていただけるととても光栄です!これからもよろしくお願い致します。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 765bdcb728 (このIDを非表示/違反報告)
むく(プロフ) - 求婚シーンめっちゃ好きです〜!! (2019年5月25日 23時) (レス) id: 3bb4d6b7d5 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - 匿名さん» 初めまして!そう言っていただけてとても嬉しいです。神威くんのイケメン台詞は割と心の声の方が潜んでいたりします笑これからもよろしくお願いします!コメントありがとうございました! (2019年4月29日 20時) (レス) id: d60993068d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:陽奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ryosukehar1/
作成日時:2019年1月8日 17時