【銀魂】せーりゃくけっこん°

楽しい楽しい鬼ごっこ ページ38

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｢なんで何奴も此奴も私が奢らなくちゃいけないの！？｣







先日の京旅行での神威と、先程の総悟を思い浮かべる。似た者同士だとは思ってたけど、タチの悪い所が本当にそっくりだ。

普通は男の方がスマートにお金を出すものじゃないのか。



等と、憤怒しながら逃げた総悟を探して市中を歩いていると。








｢……げ！！｣

｢……｣






死んだ魚のような、赤い瞳と目が合った。

あからさまにビクリと肩を震わせたソイツは、ギギギ、とロボットのように体の向きを変えて。






｢……うおおおお！｣

｢ちょっと待たんかいィィィ！！！｣






脱兎のごとく逃げ出した。あの男には色々と言わなければいけない事があるのだ。

総悟探しは一旦中断し、無駄に早いマダオの後を追っ掛けた。








＊








ーーで。





｢お願いします……勘弁して下さい……｣

｢逃げるから、追い掛けなくちゃって思わせるんです………｣







無我夢中で走っている内、いつの間にかいつもの公園まで着いていた。

流石の私達も、息が切れて肩で息をするしかない。







｢だいたい、悪いって自覚があるならどうして喋ったんですか。しかも総悟に｣

｢いやいや、言っとっけど俺は話すつもりなんざなかったんだからな！？総一郎クンが脅してくるから…｣

｢何故総悟が突然アナタを脅すんです｣

｢そりゃちょっとボロ出しちゃったからだけど｣

｢結局アンタのせいじゃないですか！！｣








何を人のせいにしているんだ、この男は。

ほとほと呆れながら、睨みつけていると旦那は開き直ったように唇を尖らせた。







｢でもよ、その様子じゃ、あながち悪い方向にばっかり転んだ訳じゃねェんだろ？｣

｢…それとこれとは話は別ですよ｣







確かに、旦那が総悟に情報を漏らしてことによって、私と総悟は溝を埋めることが出来た訳だけれど。


それは完璧に結果論である。

一歩間違えば、旦那も私も泥沼だった。そのギリギリのところを見極めるのが上手いのがこの万事屋の旦那であり、この人の恐ろしい所でもある。

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