【銀魂】せーりゃくけっこん°

誘惑も謀反も有り得ない ページ4

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沖田








ギィィーー…バタン

真選組の極秘資料保管庫の扉が閉じ、同時に俺は長い廊下を重い足取りで歩く。






「(…今まで、何も分かっちゃいなかったってか)」






Aの旦那ーー神威について、収穫があり……

まず、あの男が春雨であるというのは、まず間違いないという事。古い資料で、『第七師団新団長 神威』という記載があった。
流石に最近の資料は無いが、恐らくまだ役職はそのままだろう。


春雨は地球にも幾つも拠点を持っている。Aと出会うことが有ったとしても、何ら可笑しくは無い。…無いのだが。






「(…だから何で、結婚なんでィ)」






もし仮に見回り中にでも遭遇して、捕らえようとするAを、奴が誘惑したとしても。あの女がそう簡単に堕ちるとは到底思えない。そんな事なら、とっくの昔に俺が如何にかしている。

それなのに、Aが『結婚する』なんて言い出したのは、本当に急だった。あの時は寧ろ、結婚に後ろ向きなんじゃ無いかとさえ思っていたのに、だ。


ーーと、すれば考えられるのは…






「(………弱味でも握られたか…密偵として自ら飛び込んだか)」






Aが完全に俺たちを裏切って向こうに付いた、等という可能性はハナから有り得ないと思っている。彼奴は俺と違って、嘘が上手く無い。

もしもあの女の中に、近藤さんへの謀反心があるのなら、直ぐに分かる。多分それは俺だけじゃなく、近藤さんや、土方も。






「(…まだ、直接聞くのは、早ェか)」







もし、本当にAが望まぬ結婚だったとして、その時俺が如何するのか、何が出来るかなんて事は分かりやしないが。

それでも、今この手を止める訳にはいかなかった。

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