♯ ページ33
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遥輝くんが怪我をした日、私は未練がましく日ハムとベイスターズの交流戦を見ていた。登録を抹消された日、久しぶりに遥輝くんから電話があった。
『俺、人生終わった……』
『人生終わったって、』
そんな物騒な、と言おうとした。その途中でこの人が人生を懸けて野球に取り組んでいたことを思い出した。
生活の中心は野球、野球のおかげで生かされている。穏やかな表情で苦しいけど楽しいで、と語った時間を。
『……ねえ遥輝くん、諦めないんとってよ？ また野球してるとこ見せてよ。私は遥輝くんがまた元気にプレーしとるとこ、見たい』
プロといえど活躍できるのはほんのひと握りの中、遥輝くんは20代前半の若さで頭角を現しつつある。若くして活躍すること自体難しい。
でも才能を粉骨砕身の努力で開花させようとする遥輝くんはいつまでも誇りだ。
『私はもう彼女やないけど名古屋で応援してる』
『……現実突きつけんな。ハルくん傷ついたやないか』
『そっちこそいつも通りなるな。自分で自分のことハルくん言うのきっつい』
『お前生意気やな！』
通話を終える頃、遥輝くんのテンションはすっかり元通りになっていた。
『話聞いてくれてありがとう。復帰したら優弥と一緒に試合招待する』
『うん、楽しみにしてる』
絶対に復活してやる。クールな見た目に秘めた熱い思いを受け取った。絶対に復活して。
夏の終わりが近づいた頃、遥輝くんは1軍に復帰した。復帰戦は3打数1安打1三振とまずまずの出だしだった。
『Aのおかげで頑張れた。ありがとう』
試合には負けたけど遥輝くんの表情は明るく、野球ができる喜びが溢れていた。復縁を持ち掛けられたのは2014年のシーズンが始まる前日だった。
『俺、Aがおらなほんまにダメダメやねん。1回離れてどんだけ大切か、実感した。今度こそAが自慢できる俺になる。……もう1回、やり直してください！』
『別れな分からんなんて白状な男やね』
『それは……』
既に亮くんと再会していた。何度か食事にも行った。でも当時の私はドキドキはしてもしっくり来ていなくて。
遥輝くんは言い訳を考えて口ごもる。年上やけど可愛いって思ってしまった。
『嘘。やり直そ！』
『Aー！！！』
『ぎゃっ！ 苦しい……っ』
開幕戦の前日、札幌の飲み屋さんで抱き締められた。
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みゆし(プロフ) - 最近読ませて頂いてます！パスコードを教えて欲しいです🙇♀️これからも素敵なお話楽しみにしてます (2月11日 11時) (
レス) @page40 id: b2f1dffa53 (このIDを非表示/違反報告)
rioyamakawa(プロフ) - この小説の更新待っています！ (2019年12月14日 1時) (レス) id: faed70be53 (このIDを非表示/違反報告)
あおやなぎ(プロフ) - rioyamakawaさん» ありがとうございます(；；) これからも頑張ります〜！ (2019年7月23日 10時) (レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
rioyamakawa(プロフ) - この小説占ツクの中で1番好きです！！これからも更新楽しみにしています！！！ (2019年7月17日 11時) (レス) id: faed70be53 (このIDを非表示/違反報告)
あおやなぎ(プロフ) - たむさん» ありがとうございます(；；) これからも頑張ります！！！ (2019年6月30日 23時) (レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年6月27日 22時
