失恋確定演出【宮侑】

失恋確定17 ページ18

「侑はそろそろ“幼馴染離れ”しないと」


「お、幼馴染離れ……？」


「侑は絶対本気出したら、好きな人に振り向いてもらえるの！侑モテるんだから！」


「いや、でも実際彼女はおらんし、」


「その原因は完全に私なのよ！」


「なんでや？」


あっダメだこいつ全然わかってない

仕方ないから私がなぜ侑に今まで彼女になるまで至らなかったのかを説明してやろう


ああでこうで、かくかくしかじか


私の力説を聞いてようやく理解した侑



「そんならつまりAのせいで好きな人に振り向いてもらえんかったんか」


「そういうこと！」


「でも、なんでいきなり俺の恋路を気にしてるん？」


「え"」


えーっと、あーっと、えぇ、まぁ、なんて言葉を濁すも余計怪しんでくる侑

そんなの正直に言えるわけなくない？告白するようなもんだよ

困るなあ、侑ってば変なとこ鋭いし

私が黙って答えられないでいると、A、観念して答えんか。どうせなんか企んでるんやろ、って目で見てくる！なんでバレてんの!?


「おい、」


「私、好きな人出来たの！」


・


・



( いやいやいや私なにバカな嘘ついてんの！)

( そう言わないと上手く誤魔化せないんだからしょうがないでしょ！)

( でも嘘は良くないよ！)

( うるさい私！嘘でもなんでもこの状況を乗りきるのが先決よ！)


脳内で2人の私が口論してる。いやそんな茶番してる場合じゃ



「A、つい1週間前まで恋人なんていらへんとか言ってたやん」


「え、そうだっけ！？いや、気が変わったっていうか新たな自分を探したいっていうか………」


「どういうことやねん。それより、誰なん!? Aの好きな人とか今まで聞いたことないんやけど！めっちゃ気になるわ」



……………あれ、誤魔化せた？



「せや、やっぱ北さんとか」


「とにかく！そういうことだから侑にフリーでいてもらっちゃ困るの！私たち、ただでさえ恋人なんかと間違われるし！」


「そういうことだったんか」



もうここは嘘でもなんでも突き通せ！



「ということで侑、紗綾ちゃんもう気になってるんでしょ？」


「まあ、せやなぁ」


「だって侑の好みだよね、篠原さんとか佐藤さんとかもあんな可愛い系だったし！」


「お、おう」


「侑、私応援してるから！」



こうして私と侑の"幼馴染離れ"が始まるのであった

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