10話 ページ10
朝起きると書き置きに“行ってくる”とだけ書かれとって、下で今頑張ってんねんやな、と他人事のアタシは欠伸をしながら洗面所に向かった。
…昼はいらん言うてたし、掃除洗濯…あとは夕飯かな。
買い出し行けたら手伝ってもらわな、宮の胃袋ホンマにブラックホールやから、アタシ一人で運ばれへんねん。
とりあえず布団を干してぼーっとしながらパンパン叩く。
そういやお日様の香りって、ダニの死骸の匂いなんやっけ…？死んだ瞬間突然昇進しよるな、ダニ。
しょうもないことを考えていると作業は捗るもので、食器洗いやリビングの掃除まで終わってしもた。アタシ実は天才なんちゃうんか。
さて、残すは宮の部屋や。
…ええんかな、勝手に入って。うわ、仕事内容聞いとくんやった。アタシも宮も色々適当すぎん？
アレな本とかあってもなぁ…あんまり漁らん方がええのはわかっとるんやけど、あのシンクの状況を見るに部屋の中はまるでダイナマイトを爆発させたような惨状なんやと予想しとる。
シンクの中えげつなかったからな。
他の部屋先掃除しよ。
そう思い、アタシは“治の部屋♡”と書かれているプレートから目を逸らした。
一人暮らしやのに部屋の名前いるか？アタシの部屋ないけど、もしできたら“Aの部屋♡”とかやったほうがええんやろうか。
トイレ掃除に風呂掃除、洗濯に家計簿全てやり終えた頃にはもうええ感じの時間やった。
買い出し手伝って貰おかな…と充電中のスマホを開くと、通知の欄に“サム”の文字。
“今日買い出し手伝われへんわ、ごめんな”
そう書かれた画面を見て溜息を吐く。
せやったらあんまり買い物できへんわ。昨日の残りもんもほとんどないけど、頑張って宮が満腹なるようなご飯作らなあかん。
持てる分は持つけど…大丈夫やろか、元マネやけどあんまり自信ない。
そう思いながらスーパーに行って、今までの知識の引き出し全部開けて少量でも腹に溜まりそうなんを考える。
「重たっ…」
一人で駅前の道を歩く中、ボソッと呟いた声は誰にも聞かれてへん。
めっちゃ重たい。なんや、ホンマに重たい。
早よ“おにぎり宮”の文字見えへんかな、なんて考えていると、お姉さん！と知らん男達に声をかけられた。自分誰なん。
「重そうっすね！どこ行くんですか？」
「休憩がてらカラオケとか行きません？」
「あ、アタシ今から帰って夕飯作らな…」
「ええですやん、ホンマにちょっとやし！」
そう言って手を握ってきた男に触んな、と言おうとした時。
「何してん、俺の女や」
上から声が降ってきた。
それにキュンと高鳴る胸の音。
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！！最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です！ (8月5日 17時) (
レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります！ (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか？ (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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