48話 ページ48
カチッとドライヤーが止まる。
「お前、なんでツムのこと名前呼びやねん」
「……なんや嫉妬か？」
「うっさい」
宮を見上げると、不機嫌そうな顔でアタシを見下ろしとった。ホンマかわええな自分。
約束したからやで、と言うと、アタシのお腹に腕を回して肩に顔を埋める。それがなんか可愛くて笑っとると、笑うなや、とソファーに押し倒されて体を縫い付けられた。
それでもアタシが笑っとるんが気に入らんのか、宮はアタシの顔をデカい手で挟んだ。
ちょ、顔、アタシの顔やばいことなっとるって。
「宮ぁ」
「…ちゃう。名前で呼ばな離さんで」
「ふふ…おしゃむ」
名前を呼ぶと、満足そうに微笑んだ宮は手を離して昼間の侑みたいにアタシに覆い被さると、チュ、と額にキスをする。
それにアタシが驚いとると、もっかい呼んでや、と甘ったるい声を出した。
それに応えるみたいにして名前を呼ぶと、宮はアタシの頬を撫でて目を細め、ゆっくり話し始めた。
アタシのことを好きになった時のこと、それに自覚がなかったこと。
自覚したんは最近やって話やから、宮って結構鈍感なんかな、とか考えた。
「なぁA。めっちゃ好きやで。ほんまに、Aしか見えへんくらい」
「ッ…」
そんな、突然真面目くさった顔で言われたら照れるやん。
宮から目を逸らすと、宮はAは？とアタシにも愛の告白を求めてくる。
「は、恥ずかし…」
「…俺のこと好きちゃうん？」
ぐっ…なんやその小動物みたいな顔！！
この顔をされると、アタシは途端に断る手段が消えていく。
それでも言葉に出すのを渋っとると、宮は、なぁ、と甘えるような声でTシャツの中に手を忍ばせる。
「ッ、宮っ…ちょっとッ…」
「言ってや。俺のこと好き？」
「〜っ」
あかん、やっぱ恥ずかしい！
やめて、と宮の肩を押す。
瞬間、不機嫌そうになった宮が少し乱暴にアタシの腕をまとめて上から見下ろした。
「A」
「ッ…う……す、き。好きやで、アタシも…お…治のこと、好き…」
「ん、俺も好き」
強制的に言わせて何がええねん！と羞恥に耐えきれずに声に出す。
すると、確かにな〜、と考えた宮が、じゃあ好きって言わせたらええんやな、ととんでもないことを言い出した。
言わせるって…？
怪訝な顔をするアタシを見てニコリと笑った宮は、スルスルと慣れた手つきで服の中に手を突っ込む。ちょ、なにやってん自分！！
「宮！？」
「ははっ、かわええ顔。A…好きやで」
間髪入れず宮の顔が近づいてきて、色々喚き散らすアタシの口を塞ぐ。
その日初めて、深いキスを交わした。
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！！最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です！ (8月5日 17時) (
レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります！ (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか？ (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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