47話 ページ47
「ほな、今日はありがとうな。侑」
「おう。じゃあなA、サム」
「二度と来んな」
そんなこと言わんとってや〜、と笑った侑は、あ、せやと言って立ち止まって振り返る。
宮は早よどっか行け、とまだ拗ねとるみたいや。
アタシと侑が2人でコソコソ手ぇ組んだんがそんなお気に召さんか。
苦笑いで侑の言葉に耳を傾けると、侑は悪びれる様子もなくデカデカとした声で言い放つ。
「そいつ、高校ん時からAのこと好きやったから、ホンマに好きなんかとか気にする必要ないで」
そうしてバタンと閉まった扉の前で、少しの間動けずにいた。アタシと宮で、動けへんかった理由はちゃうけど。
ゆっくりとすぐ隣に突っ立っている宮の顔を見上げると、恥ずかしそうにアタシから目を逸らす。
…高校ん時からって……今何年目やねん！！
全然気づかんかった、と静寂が気まずくて声を出すと、実はな、とやっとこさ絞り出したような声で答えが返ってくる。
「アタシの方が、先好きなったと思っとった」
「俺のが先やしー」
「子供か！」
好きの大きさは負けへんからな！とか言い返すアタシも子供っぽい。
それでも、そうでもしないと恥ずかしくて二度と宮と話せへんような気ぃする。
今日の夜ご飯宮の好きなもんにしたるわ、と笑えば、宮はちょっと考えて俺Aの作ったんやったら何でも好きやで、と裏のなさそうな笑顔で言う。
ホンマ自分そーゆうとこやで。
一緒に作ろか、と言って作り始めた夕飯。距離はいつも通りやけど、なんか縮まったような気がせんでもない。
そんで、夜。
「なぁ、今日俺のベッドで寝ん？」
「えっ」
そ、それってつまりそーゆうことやんな！？
心なしか宮の顔が赤い気がして、少しずつアタシの顔の温度も上がってく。
小さく了解の返事を出すと、宮は少し笑って風呂入ってくる、と言った。
ラブホでもなんもなかったアタシらが今日遂に大人の階段登ってまう感じ！？なんか突然緊張してきた…。
ドキドキ高鳴る胸の前でギュッと手を握りしめる。
初めてやからなぁ〜…どうすればええんか、検討も付かん。
知識なんて学生の頃の保健と、それから友達から聞く話、そんでなんか変な世論。
宮は全然緊張してへん風に見えるけど、アタシだけなんやろか。
念入りにシャワーを浴びてから風呂場を出ると、ソファーでくつろいでいた様子の宮が自分の足の間を指す。
座れってことやろか…？
「お邪魔しまーす」
「髪の毛、乾かす」
「お、ありがとさん」
宮の優しい指が湿った髪を梳く。
心地良くて目を瞑っていると、なぁ、と静かに声がした。
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！！最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です！ (8月5日 17時) (
レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります！ (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか？ (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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