37話 ページ37
これからも頑張りなね、と言ったスナと別れ、大人しく家路に着く。
…もし、もしやで？もし飽きられてるとして、アタシのなにがあかんねんやろ。
こんなん自分で言うもんちゃうって自覚はあるけど、アタシは顔も悪くない方やし、家事だって一通りできるし、おもろい性格もしとる。
宮が飽きる要素、ないと思うんやけどなぁ。
これは自惚れ？それでもええやん、自信のある女は綺麗に見えるもんやで。
…なんて、ええ加減にせな、それこそ宮に飽きられる。
いややなぁ。
昔は、宮に嫌われようが飽きられようが、はなから興味を持たれまいが、全然構わんかったんやけど…いつからこんな女々しなってもーたんやろ。
ピタリを足を止め、クルリと向きを変えてスーパーの方へ向かう。
今日は、とっておきのええもん食べさせて、胃袋掴んで、アタシのなにがあかんのか聞き出そ。
好戦的な相手には全力で返す、それが宮兄弟や。
駅前まで戻らなあかんねんけど、まぁそれくらいどうってことない。
そう思いながらスーパーに入る直前、生き生きと進んでいたアタシの足がまた止まる。
……また、あの子や。
アタシより、宮との距離近い。
しょうもないことで嫉妬心が湧く。
そんな自分が嫌で自分の足元に目を落とす。
…好きな子、と、ちゃうかもしれへんやん。アタシの勘違いかも。
そう思って顔を上げて、スーパーに入ろうとしたけどやっぱり宮の方が気になって、チラリと目を向けてみた。
え…───────？
一瞬のことやったのに、すごい長く感じる。
なんで、キスしてんの…？
息が止まって、必死で呼吸しようとするのに肺が酸素を拒絶する。
指先が冷たくなって、その一瞬の景色から目を逸らせんかったアタシはそのままの勢いでスーパーの中へ、吸い込まれるように入っていった。
…なに、今の。
スーパーに入って、あの二人が見えへんくなった途端に止まる足と、身体中に血を駆け巡らせようとバクバク速く動き出す心臓。
ドクンと指先に鼓動を感じるのに、何故か体温はどんどん下がっていくような気がした。
さっきの光景を思い出すまいと働く心と、思い出そうとする頭。ミスマッチが妙な違和感を出して、引き返せと頭で考える。
でも。
引き返せるんやったら、アタシは今頃宮とあの子に向かって怒鳴ってたやろう。それでもそれができへんから、アタシはスナに恋愛相談なんかしとるんやし。
いつもは、ちょっとふざけたり、とか。
今は全く、そんな軽薄な言葉は浮かばんかった。
好きやと思ってたん、アタシだけ？
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！！最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です！ (8月5日 17時) (
レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります！ (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか？ (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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