26話 ページ26
「さよならー、また来てくださいね」
「じゃあねAちゃん！」
「っす、飯美味かったっす」
影山くんは最後まで礼儀をしっかりするいい子やなぁ。アタシ作った料理ほとんど無いけど。
及川さんもチャラさを捨てて影山くんを見習ってほしいわ。
そう思いながら玄関を閉めると、あぁー…とガシガシ頭をかきながら宮が自室から出てきた。
そうや、昨日はベッドルームやなくて自室のソファーで寝かせたんや。だって運ぶん無理やし。
「みんな帰ったで」
「…ほんまか。飯は？」
「あんた起きてすぐ飯かいな」
前世は飢え死にか？
そうツッコミを入れつつパパッと用意できるものを作る。
アタシ天才ちゃう？こんなすぐ美味しいの作れんで。
とか、ふざけてるんは顔合わせづらいからかなぁ。
多分、というか絶対、アタシは宮のことが好きで。
昨日今日恋心を自覚した乙女には、好きな人と同居しとるとかいうこの夢のような状況はちょっと刺激が強いっちゅーか…。
おい今笑ったやつ、表出ろや。アタシはまだまだ現役の乙女やっちゅーねん。
「はぁ…ツラー…」
昨日のお酒が抜け切れてへんことに重なって宮への気持ちがズドンと胸に重くのしかかる。
気怠いわ、ほんまに。
世の男女はみんなこんなモヤモヤを振り切って付き合うとか、そんなことしとるんかいな。尊敬。
ゆるゆるとお皿にスポンジをなすりつけるようにして洗う。全然油落ちてへんけど。
…宮は、アタシが突然好きって言ったら、どんな顔するやろ。
ピタリと手が止まった。
もしかして、家追い出されるんちゃうん。それだけは避けたいな…。
「なぁA」
「ッ、な、なんやねんビックリするやんか！」
突然上から声降ってきたで。怖。
ドッドッドッドッとうるさい心臓を撫で付けるように胸を撫で下ろす。
これ別に恋とかのドキドキじゃない。純粋にビックリした。
「なんか悩みでもあんの？」
うんうん唸っとったけど、と言いながら首を傾げる宮。
ほんま、そう言うのやめて欲しいわ。また好きなるやん。
アタシはシンクに向き直って、なんもないわ、と呆れ笑いを交えて言う。
シンクの中のアタシ、全然なんもなさそうな顔してへんけど。
そうか、と言った宮はソファーに座ってリモコンを操作する。プツッとついたテレビの画面には、最近話題の恋愛否定派心理学者が恋について語っとった。
「恋と言うのはですね、言わば気のせいみたいなものですよ」
…アホ、全然ちゃうわ。気のせいなんかやない、これは確実にアタシの中にある。
でも、宮は普通やし…アタシも気にせんとこ。
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！！最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です！ (8月5日 17時) (
レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります！ (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか？ (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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