178話 ページ38
はぁ〜…帰らせるの大変だった。
チャプチャプと揺れる水面にミニ鳴門を作りながらそんなことを考えていた。
すると、脱衣所に置いてきた自分のスマホが鳴っている音がするのに気がついた。
……この音は、電話かな。
「……もしもし」
大門『あ、A?宿題終わった?』
「……!終わってない…!」
やばい、明日提出の数学の宿題1ページも終わらせてない。
で、でも、大門はただそれを伝えるためだけに私に電話かけたの?
そうだったら優しいやつだな、と思いながら電話を切ろうとすると、生で聞いたら妊娠しかねない声で教えようか、と。
「ありがたいけど…ここまでくるの大変でしょ?」
大門『あれ?知らないの?俺とAの家って徒歩10分で着くけど』
あー!ここ高級住宅街ですもんね!!
知り合いがいてもおかしくないよね!現に美原とか近いし。
じゃあお願いしていい?と聞くと、わかった、と言った大門は電話を切った。
こいつらの褒められるところは、夜中に女子を呼び出さないところだな。それだけ。
いや、ちょっと待てそれ当たり前の話じゃねーか。
私の感覚麻痺してる……。
ピンポーン…
「はーい」
大門「来た」
家大丈夫なの、と言えば、今日は誰とも会ってないから、と言う。
家の中で会うってどう言う感覚なんだろう。
大門の言ったことに疑問を感じていると、なにができてないの?とベッドに座った大門が私のノートを見る。
「……実は1ページも終わってなくて」
大門「……珍しいね、Aにしちゃ」
「まぁ…そういうこともあるわよね」
じゃあ早速始めようか、と机にノートを広げる大門。っていうか大門も物理の宿題終わってないじゃん。
お茶持ってくるけど触らないでよ、と釘を刺して冷蔵庫からお茶を出して持って上がる。
すると、大門は大人しく宿題を始めていた。
てっきり、タンスでも漁ってるのかと思ったけど。
「偉いじゃん大門」
大門「…うん、我慢した」
「ふふ、我慢って…普通覗かないのよ」
そういえば隣青柳だってね、と壁越しに青柳くんの家を見る大門。
そう言えば、朝あんまり見ないし忘れてたけど…。
「それに私の部屋の横が青柳くんの部屋なの」
そう言って頷けば、じゃあさ、とニヤリと笑った大門は私の腕を掴んで引き寄せた。
え。
大門「今ここでお前を抱いたら、青柳の耳まで声、届くの?」
「ッ……え、ちょっ…大門……?」
大門「確かめてみよっか」
え!?ちょ、急なお誘いはNGなんですけど!!(いや、急じゃなくてもNGだけど)
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松々先輩(プロフ) - らっぴょこさんさん» ありがとうございます〜!!一癖も二癖もあるウチの子たちをそんなに褒めてくださって…画力と文才!?あー!ありがとうございます〜!!これからも頑張ります!! (2020年8月2日 15時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - とっても面白いです!皆ユニークで大好きです!ところで、素晴らしい画力と文才があるんですね!羨ましいです、、、これからも無理の無いように頑張って下さい!応援してます! (2020年8月1日 20時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - びびちゃんさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しいです!これからも更新がんばります! (2020年2月1日 19時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
びびちゃん - 面白いです!更新頑張ってください。 (2020年2月1日 16時) (レス) id: 122cd8c013 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - しつさん» ありがとうございます!!綾くん良いですよね! (2020年1月4日 19時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
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