カラッポ【カラ松】

Twenty nine episodes ページ32

「Aせんせー」
「ん？」


ある日の放課後。職員室に用があり、私は職員室前にいた
すると、後ろから成人男性にしては少し高い声が聞こえた


「あぁ、蠧魚(しみ)君。どうしたの？」

その君付けやめませんか…と眉を下げて近づいてくる蠧魚君
この前も言われたが、その時は可愛いから無理、と言うと、まぁ良いですよ……と諦めていた


「可愛いかr「それ無しで」ぇぇ…」


それ以外に理由なんて無いんだけどな…年下だからかな？


「あ、あの、実は俺の姉さんが旅行ペアチケット２組の当たったんですけど…姉さん彼氏は画面の中で……」
「……あぁ、オッケー…それで？」


蠧魚君のお姉さんはかなり個性的なんだな…
彼氏は画面の中か……蠧魚君に似て可愛いと思うんだけど…つくづく残念な人だ(Aは一度蠧魚姉と会っている)


「一緒に、どうですかね……あ、あの、嫌なら良いんですけど……」
「え」
「え？」
「ゎ、私と？」


それ以外に誰が……？と首を傾ける蠧魚君
無自覚あざといんだけど


「駄目ですか」
「いや、駄目では無いんだけどね…「そうだぞ、蠧魚先生？これは生憎俺のなんだ」ヵ……！？」


後ろから誰かに頭を撫でられたと思えば、それはカラ松

「あっ……いや、疚(やま)しい気持ちは全然無くて……！先生方の中で一番仲のいいのはA先生だけで……」
「ペアだったな。確か。なら、俺とA、弱井先生と蠧魚でどうだ？」
「あら〜？Aじゃ無いの、どうしたの？」

良いところに
トト子が職員室に入ろうと近づいてきた


「今話してたんだけど、旅行どう？」
「旅行？誰持ち？」
「男」
「行くわ」


ものの２秒ほどで決まってしまった四人での旅行


じゃあこれで、と職員室に戻っていったカラ松の後ろ姿を見ながら、私は大きな溜息をついた

「ひゃー、怖かったぁ……」
「ごめんね、蠧魚君。何でだろうねー…普段はこう言うこと無いんだよ？」


それは…＿＿＿と何か言いかけた蠧魚君は、何でもないです、と言葉を濁した


「熱いですねー……お二人共……」
「えぇ…そんな事無いよ」


私の一方通行なだけで……


「何言ってんですか。付き合ってるんでしょ？」
「うーん……そうなんだけど……」
「羨ましいですよ、カラ松さんが。こんな美人な彼女がいて」
「褒めても何も出ないよ？」


だってカラ松は、私と仕方なく付き合ってるだけ
私が可哀想だから


それ以上の理由なんて、無いの

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• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

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