行ってらっしゃい ページ5
けっ死の覚悟で皆戦争に向かうのに、彼だけは普通に旅をするだけのように行った。
その背中を見て何度救われたことか。
「じゃ、行ってくる!」
「…行ってらっしゃい。」
また戻ってくるから待ってろよ〜!!なんて言う彼に、私はどうしても返せなかった。
「…どうして彼は、また会えるってわかるのかしら。」
そんな保証はどこにもない。死を経験したわけでもないのに。
私だって死んだことはないけど、きっと辛い。悲しい。苦しい。痛い。
迫る死に、泣き叫んでしまうだろう。
「おう、帰ってきたぞ!!」
爽やかに笑って言うその声が、薬のような安心感を与えてくれた。
「お帰りなさい」と言う度に泣く私を支えてくれたあなたが好きだった。
その後に旅という名の戦争で起きたことを面白おかしく話すあなたが。
あなたのせいよ。こんなこと思い出してしまったら、「また明日」って言いたくなるじゃない。
言ってしまったらきっと、二度と会えなくなってしまう気がして、ずっと言えないのだけど。
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たまごさん(プロフ) - 華丸さん» ありがとうございます。次作も頑張りますので是非見かけましたらご一読いただけると嬉しいです。 (2021年1月10日 18時) (
レス) id: e48596db7c (このIDを非表示/違反報告)
華丸 - もう神作すぎるぅ (2021年1月10日 13時) (レス) id: 665f3a7ddc (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - 「えぇ、きっとそのときは、一緒に生きましょう。」 タイトルの「いきたかった」は、「行」の意味も「逝」の意味もあります。 最後に、前作からかなりお待たせしてしまい、申し訳ありません。今回もお読みいただきありがとうございました。 (2020年12月7日 19時) (レス) id: e48596db7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまごさん | 作成日時：2020年12月7日 19時
