変化 ページ6
その後、今後のスケジュールについて調整して部室を後にした。
恐らく大丈夫だと思うがに〜ちゃんにスケジュールを確認しに行こうと空き教室へ向かっている。
私の記憶が正しければ、今日はインタビューの練習をしているはずだ。
明後日の土曜日に本番を控えているため、緊張しやすい創くん、友也くん辺りが猛特訓していることだろう。
差し入れを取りに一旦教室へ向かう道中。
UNDEADを本格的にお手伝いするのが月曜日。差し入れは何がいいだろうか？初日は自己紹介なども行うらしい。まだ会った事の無い二人はどんな人なんだろう？
顔と名前は資料で確認したけれど、そんなもので性格はわからない。少し怖いが、少し楽しみでもあった。
｢おっとっとと…｣
そんな自分の心境の変化に驚いていると何かにぶつかってしまった。
｢すみません…！｣
急いで頭を下げる。
｢そっちこそ怪我は無いか…ってA？｣
バランス能力が高いらしく、そこそこ高く積んであった生徒会資料の箱はその後ろから顔を覗かせてくる彼の手から落ちていなかった。
長めの赤がかった髪をおでこを出すようにピンで止めているのでバッチリ目が合う。
｢あ、衣更先輩…！大丈夫ですか…手伝いますよ…？｣
｢ああ、大丈夫だよ。最近生徒会室に来ないけど忙しいのか？｣
｢すみません…そうですね、ちょっと…でも仕事はしてるはずなんで何とかなってるかと｣
｢不思議だったんだよなーお前は来てないのに、お前の分の書類は全部片付いてるの。朝とか？｣
蓮巳先輩辺りがてっきりやってるのかと思ったなんて言って笑ってくれる。
確かに、蓮巳先輩ならなんだかんだやってくれそうだ。…後が怖いが。
｢それもありますけど…ほとんど持ち帰りや、プロデュースの合間にやってました｣
流石に荷物を持たせたまま立ち話もどうかと思ったので荷物を少し受け取り、生徒会室へと行き先を変更する。
｢にしても、本当にAはしっかりしてるよな〜俺の周りの奴らに見習わせたいよ｣
｢そんな事ないですよ…衣更先輩がしっかりしてるからみんな頼っちゃうんですよ、きっと｣
最近の生徒会事情や、仕事のことなどを話していたら目的地についた。
中に運び入れると衣更先輩が笑いながら
｢さんきゅーな！｣
と声を掛けてくれた。
思ったことは、アイドルの笑顔は強い、だ。
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作者名：ぽあぷるーじゅ。 | 作成日時：2018年2月12日 13時
