スマホから推しがでてきた【北信介】

14日目 昼 続 ページ38

『…』

北さんのお弁当が美味しそうすぎて見てしまう。

私結構和食好きなんだよね、特に魚類

あれ、でもサバの味噌煮とかブリの照り焼きって和食だったっけ

「…なんか食べたいん？」

やばい、見すぎたようだ。

『いえっ、はい！』

「どっちやねん」

自分でもどっちかわかんない、今の

『た、食べたいです…』

そう言うと北さんは少しお弁当をみて、

「ほれ、口開けや」

とサバの塩焼きを箸で持って差し出してきた

『えっ、ききき北さんそれは、』

あーんなのではないでしょうか、

「食べへんの？」

首を傾げてそう聞いてくる。

無自覚なの？それ無自覚でやってるの？



食べたい、でも、あーんは恥ずかしい

意を決して私はサバを貰う。

『あ、美味しい…』

そりゃそうだ、見た目がもうめちゃくちゃ美味しそうだったし

やばい、めっちゃ美味しい…

「上手いやろ、」

なんて言われてもあまり美味しさに頷くしかない。

『あ、北さんもなんか食べてください！味の保証はあんま出来ませんけど、！』

お弁当をサッと差し出す。

「ええん？じゃあ、卵焼き貰うわ」

北さんは卵焼きをパクリ、と食べて少し頬を緩ませた

「ん、美味しい。卵焼き甘いのも美味しいんやな」

びゃあ、褒められた！！！

嬉しくて周りに花飛ばせそうだ。

そんなこんなでお弁当を食べ終わった。

『そういえば、もう体育祭の練習入りましたね』

「せやなあ。俺の組み白色やったわ」

『えっ、私も白色ですよ！』

なんて偶然、いや必然…？

神様ありがとう！！

心置き無く応援する、絶対。

『北さんなんの種目出ますか？』

「借り人競走と長距離と二人三脚や」

「柘榴は？」

『短距離と、ハニカミと鉄腕だっしゅです』

そういうと北さんは首傾げた。

ハニカミと鉄腕だっしゅの説明をすると、面白い競技増えたんやな、と言っていた。

「ハニカミのペアはもう決まっとるん？」

『はい、治君です』

そう言うと、北さんは少しムッ、とした。

や、これはまさか、

ヤキモチ…！？

え、もしそうだとしたらどっちに嫉妬してるの？

私？それとも、治君…？

「…応援団は、」

北さんが口を開いた

「俺応援団やねん、見とって」

見とって、って言葉で自分の顔が真っ赤になるのがわかったけど、

『北さん、私も応援団ですよ…』

そう言うと北さんは眉を少し寄せた

なんか、意外と顔に出るから可愛い。

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