10話 期待 ページ13
なんでもない日、とは…なんだろう。
授業時間中の廊下、私は思考を巡らせていた。
ケイトさんとトレイさんは"なんでもない日のパーティ"と言っていた。
あれから1日が経ったが未だに理解出来ていない。
(来ないかと言われたのだから場所はここではないはず。)
(何もない日？パーティ？お茶会？舞踏会？そもそも私はここから移動できるの？)
なんてぐるぐると考えていたが答えは出ないし、その答えを教えてくれるような人もいない。
ケイトさんとトレイさんが次通った時にと思っていたのだが、まだ2人はここを通っていないのだ。
仕方ないと覚悟を決め、勇気を出して目の前を通る生徒たちに聞いてみたがやはり目が合った途端、目を見開いて逃げられてしまった。
(私の表情が硬すぎるんですかね…)
＿＿＿＿＿＿＿＿
Noside
「ハァ、またクルーウェル先生に怒られちゃったなぁ…俺も早く寮長たちみたいになりたいよ」
ハニー色の髪、顔にハートのスートがあり、特に目立たない顔立ちの男子生徒がブツブツ呟きながらやってきた
『こんにちは、何か悩んでいらっしゃるんですか？』
「え…どこ…うわぁああ！？！？！？………あっすすみませっ」
ロザリアに話しかけられた生徒は大声を上げてしまったことに慌てて口を抑えた
『いえ！大丈夫ですよ。お気になさらないでください』
ロザリアは今までそれなりの人数の生徒に大声をあげられ逃げられているが、全く慣れることはなく、実は内心とても驚いているのである。
現在も心臓バックバクだが、そんな素振りを見せず
そう、ロザリアは表情が硬すぎて怖がらせてしまっているのではと考え、微笑をやめ、笑顔で話しかけることにしたのだ。
『学年は1年生…ですか？』
「ｲｴ!!にｯ、2年ﾃﾞｽ…！！」
実際は怖いという理由で逃げられているわけではないので、女神のような微笑から、花が咲いたような笑顔に変わってもさほど結果は変わらないのだ。
ロザリアは驚きでバックバクだったが、相手の生徒も緊張でバックバクである。
声も裏返っていて情けない。
しかし、きちんと会話できているのは初めて、しかも聞きたいことを教えてくれるかもしれないという期待。
『まあ！ではご存知かもしませんね！』
ロザリアが心から嬉しそうに笑う。
心做しかロザリアの周りに花が飛んでいるように見える。
ここは花畑になったのではと錯覚してしまうほどである。
「は、はわ……………」
ラッキーアイテム
ダイヤのキャンディ
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ななし(プロフ) - プリメロンさん» ありがとうございます！そう言ってもらえるとすごく励みになります…！社畜の身なので頻繁に更新することは叶いませんが、これからも息抜きに書いていきたいと思っております (2021年6月8日 17時) (
レス) id: edbe6aadbb (このIDを非表示/違反報告)
プリメロン - ロザリアちゃんが可愛くて大好きです。続きが楽しみです。 (2021年6月8日 13時) (レス) id: b71badc53a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし | 作成日時：2020年7月12日 6時
