吉野順平ガチ勢が原作をぶっ壊す話2

夜ノ暗闇八全弖ヲ隠図 ページ23

順平side


｢お風呂でのこと…なんだけど｣


僕の言葉に少しの沈黙が流れる

けれど、どうにもあのまま有耶無耶にするのはむず痒くて

そのまま言葉を繋げた


｢その……僕、Aの隣に立てるくらい、もっと強くなりたいんだ、一方的な甘えにならないように…｣

『ボクは甘えられるの嬉しいよ？』

｢はは…優しいね、でも、それじゃダメだ…｣


暗がりの中、彼が何を思っているのかは分からない

それでも、僕はこの覚悟を彼に伝えたかった、僕もAと同じだと

同じ気持ちを抱いていると、遠回しにでもいいから伝えたかった


｢だから、交流会で決める｣

『交流会……？』

｢うん、僕が本当に強くなれたのか、交流会で1度確かめて…それで…｣


一瞬、言葉が止まる

この宣言のせいで、想いを伝えることを先延ばしにしてしまったら…？

だがそんな不安もすぐに無くなった、きっとそれは、以前の僕と

今の僕が、少し変わったからだと思う


｢そこで、僕が強くなれてたら…その時は、また…言ってもいいかな？｣

『……それ、俗に言う死亡フラグでは？』

｢死なないよ。だって好きなら傍にいてくれるんでしょ？僕も同じだから…｣


僕がそう言い切れば、部屋に沈黙が訪れた

何も言わない彼に対して、さすがに傲慢すぎる発言だったかなと

そんな気持ちが過ぎった次の瞬間

ふとAが言葉を発する


『……そっち、行っていい？』

｢えっ！？な、なんで……｣

『いい？』

｢あっ……うん｣


普段とは変わり、少し威圧的なその問いに思わずそう答えれば

彼はそっと布団をめくって同じベットに入ってくる

Aが相当の至近距離にまで近づいていることを改めて自覚すれば

暗闇で周りが見えないせいか余計に緊張が募る


『順平さ、』

｢な、なに？｣

『柊Aは、どんな人に見える？』

｢……え？えと…｣


思わず答えに戸惑っていれば、彼はそのまま言葉を連ねた


『前に、順平はボクを大人っぽいのは強がりって、そう言ってたよね』

｢あ…うん、嫌だった…？｣

『合ってるよそれ、強がってでもいないと純愛なんて続けられないから、ボクはそこまで忍耐強くないんだよ』


普段は聞かないような、酷く静かな彼の声色が耳を撫で

頬を指が伝う

緊張で状況把握なんて出来たもんじゃない

ただ暗がりの中、彼の髪が垂れて僕の頬に触れる程の近さで

こう言われたのは覚えている


『今はまだ我慢するけど、あんまりボクを大人扱いしないでよね』

そろそろボクも進化してみるってか→←今はまだダメだしダメだからダメなんだって！！

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