吉野順平ガチ勢が原作をぶっ壊す話2

それは期待していいのか？！いいんだよな！？ ページ16

｢そっか、じゃあAは京都校のほうで特訓してたんだ｣

『あの目隠しに連れてこられた時は殺意湧いたよ…』

｢ふふ、想像できるな｣


真衣ちゃんらに連れてこられた先で会ったのは、まさに無気力の原因であり

会いたいと何度も思った相手である順平だった

ぎごちない雰囲気でいるボクらをそれぞれの女子陣が背中を押すようにして声をかけた後

颯爽と離れ、せっかくならとボクらは京都を観光案内することにしたのだ


｢ここって今どこらへんなの？｣

『今は伏見稲荷の近くだね〜、この後は清水寺の方に向かって最後に錦市場の方行こっか』

｢有名なところばっかりだなぁ…、なんか、修学旅行みたいで楽しいかも｣

『あっ、それ思ってた』


くすくすとたわいも無い話で笑って、近くの食べ歩きスポットでもある通りで

抹茶のアイスクリームを購入して暑さで火照った体を冷やす

暑いね〜、なんて言いながら少し赤くなった顔を手で扇ぐその様は

惹かれないといえば嘘になるだろう

だが全く干渉してなかった期間が長かったせいか、何処か無意識に

距離を取ってしまう自分がいる


『順平アイス溶けてるよっ！？』

｢うわっ、ホントだ……ちょっと考え事してた間に…｣

『そろそろ夏も終わる時期だってのに暑いのまだ続くのかな……ちょっと貸してね』


溶けたアイスを彼の手から受け取り

ティッシュで溶けた部分を拭き取ってから再度彼の手に渡した

少し手に着いたアイスを舐めとれば、彼は小さく声を漏らして目を逸らす

彼の様子にもしかして舐めたのが悪かったのか？！なんてことを思って

慌てて少し体をかがめる


『ご、ごめんね！つい癖で舐めちゃったんだけど、嫌だった？』

｢あ、いや…ちがっ、嫌じゃ…無くて……ただ…｣

『ただ？』

｢……その…僕が食べてたやつだから……舐めちゃって大丈夫…なのかな……って｣


そう言って彼は顔を逸らす、彼の頬が赤いのは暑さのせいなのだろうか

心做しか跳ね上がる心臓と

ボク自身も顔が火照るのを感じて溶け始めたアイスを頬張った

それでもなお治まらない熱は、鼓動は

どうやって沈めればいいのだろう



『とりあえず…次の場所までバス使おっか…』

｢う、うん｣


ボクは、その方法を知らない



〜実は尾行していた野薔薇ちゃん一行〜


｢あれ無意識ってすごいわね…｣

｢ちょっと近づきすぎよ｣

｢はぁ？！あんたこそ目立ちやすそうな格好してるじゃない！｣

｢(俺帰っていいよな…)｣

やっぱりあいつだけは始末した方がいいと思うんだ→←顔を上げたその先に天使が現れたような運命的再会

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