【菊】オタクだってできる恋はあるんだよ?(ギャグ(?)&恋愛) ページ7
(学園設定。オタ菊。)
「も・え・が・足・り・な・い!」
「そ・れ・な!」
同じ新聞部の本田くんと空き教室で、萌えとは何かについて語り合っていた。
本田くんも私も重度のオタクで、新聞部の空いた時間に同人誌製作なども一緒に行う仲。
「あのギャルゲー、微妙だったよね…絵柄が可愛かったけど、ストーリーが微妙だったし…」
「そうでしたね…ラストは急激な展開だったので私も同じ意見です。」
「ああ…可愛い女の子と可愛い男の子が出てきてストーリーのいいゲームがしたいぃ!漫画でもいいから!」
こういった愚痴を交わしたりするのが放課後のひそかな楽しみだったりする。
「萌えが足りない」なんて言いながらも本田くんは十分イケメンで普段はこういうオタクっぽい所出さないから、ものすごく女子から人気。
たまたま入っただけの私が、ここまで本田くんとお近づきになっていいのかってぐらい。
最初、本田くんがオタクだって知った時はびっくりしたけどすぐにうちとけてくれて嬉しかった。
今は大切な…友達。
「あ、あれセーちゃんとカークランドくんだよね。」
「ええ、そのようですね。」
窓から見える校門前。楽しそうに喋っている二人が映る。
あの二人はとても仲良しだ、とても。
二人を見ていると、脱水症状が出そうなくらい泣かされたあの乙女ゲーを思い出す。
楽しい日々が続くけど、その内先輩が卒業して気持ちが伝えられなくて…
ベタだけどいいストーリーだった。
「いいよね、あーゆー風に青春できて。二人って見てると恋愛ゲームみたい。遊びの方じゃなくてゲームの方の意味で、ね。」
「そうですね。お二方共、仲良しそうです。」
リア充爆発しろ!だなんて言える立場じゃないけど二人の仲良しっぷりには思わず叫んでしまいそう。
私は椅子にもたれかかり、こう言った。
「あーあ…私もこんな感じの乙女ゲーみたいな恋愛がしたいなぁ。」と。
すると本田くんがぼそっと「じゃあ私とやってみませんか?」と呟いた。
えっ、と聞き返すと本田くんは「Aさんのことが好きなんです。乙女ゲームのようにはできませんが…」と笑う。
本田くんの話し方は聞き手にまわる方が多かったから、こうやってまっすぐに見るのは珍しい。
「貴方が好きなんです。
_こう言う時、「かべどん」した方が良かったですかね?」
そうクスリと微笑む顔を見て、逃げられないと悟る。
初めて彼の笑顔が悪魔に見えた顔だった。
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ミファ(プロフ) - エリジャさん» ありがとうございます! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 9307a90a97 (このIDを非表示/違反報告)
エリジャ(プロフ) - ミファさん、こんにちは。イベント参加ありがとうございます!!読ませていただきましたが…ぶ、文才が凄すぎる………すごく上手いですね!!これからも頑張ってください!応援しています!! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)
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