002 幼馴染 ページ3
研磨side
「なんかいいコトあった？」
「なんで？」
始業式が終わった後部室で突然、わけもわからずクロにそう聞かれた。
「なんとなく」
「なんとなく」なんて釈然としない答えだが、何年も一緒にいればわかってくるものなのだろう。
そう、自己完結した。
「研磨はさぁ」
クロは制服のネクタイを外し、ベストを脱ぎながらそう尋ねてきた。
「バレーにアグレッシブにならないのはまぁそうだけど、ゲーム以外に何か興味はないわけ？」
「、、クロはおれのお父さんじゃないでしょ。」
「うん。俺もプリン頭の息子を産んだ覚えはねぇわ」
クロはいつも通りけらけらと笑う。
「俺はもう3年生だ。引退だって進路だって視野に入れる時期でね。」
「うん」
「少しだけ、研磨のこれからが不安になった」
……クロは優しい。詐欺師みたいな顔してるけど、本当は細かい気遣いもできるし、友達思いだ。
「だいじょぶだよ。おれはおれだし。生きてくし。」
「………じゃあせめて彼女でも作れば？」
「は？？？？？？」
予想外の言葉におもわず「は」とあっけない声を出してしまった。
「いや〜。研磨にも彼女がいたら正しい道に導いてくれそうだと思ってね」
半ば冗談のように言ってくる。
「クロの中のおれはなんなの、、あとそんなヒキニートになる予定はないし」
「ま、お前が大丈夫なら大丈夫だろうな」
練習着に着替え、荷物をまとめるクロ。
「じゃ、新入生歓迎の準備でもしましょうや」
そうして、2日後のオリエンテーションの資料を持って部室を後にしようとした。
「でも」
でもと言った声にクロは反応する。
「面白い人は見つけたよ」
「……」
目をかっぴらき、こっちを見てくる。
「あの研磨が、、？」
「うん」
「バレー部以外とまともに関わってるとこを俺でさえ見たことないのに、、？」
「うん」
「今日は槍が降るな、、」
「降らないよ、、」
その言葉を聞いて、夜久くんと海くんに知らせてこよと慌ててクロは部室を出て行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し60145号(プロフ) - 面白かったです (4月14日 0時) (
レス) id: 36ec4df090 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - ちょー面白いです！！ずっと追わせていただきます！！応援してます！！ (4月1日 19時) (レス) @page28 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
( •∀︎•` ) - 文章が詰まりすぎて読みにくいです。もう少し行間空けたほうが読みやすいと思いますよ。 (3月29日 8時) (レス) @page5 id: fc8af0127f (このIDを非表示/違反報告)
ベル - 読んでいてとても面白かったです‼︎更新待ってます‼︎‼︎頑張ってください‼︎ (3月27日 12時) (レス) @page21 id: d6d89fc12c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：裏翠 弥霖 | 作成日時：2024年3月5日 8時
