＜名探偵コナン＞降谷零の兄は今日も悪夢を見る

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「オレ？オレは友樹って言うんだ、君は？」

友樹、そう名乗った相手は今度は透夜の名前を聞いてくる

名乗ったほうがいいのだろうか、普段ならそのまま名乗っていただろう

だが今は深夜、普通の人はもう寝ているころだ

それについさっき不審者の話を聞いていたばかりでいくら自分が男といえど少し怖い

相手の容姿はというと金髪の耳にピアスを開けていてチャラい服装をしている

如何にも不良だ、その容姿で余計に怖く感じてしまう

「ほらほら、早く教えてよ。オレも教えたんだからさ」

相手は急かすように言いなら腰に手を回す、『ひっ』と透夜の口から小さな悲鳴がもれてしまう

「ひどいな〜、そんな怖がんないでよ」

男は手を放そうとしない、それどころか自分の方へと引き寄せてくる

『手を放して、下さい』

透夜は怖いのか震えてしまって目も涙が溜まっている、とても小動物みたいで可愛らしい

見た目はクールビューティーなためにギャップがある

そして相手の事を考え優しく押し返しているのだ、もうたまらないといった感じで男は腕を掴む

「もういいや、オレん家行こ」

腕を強くひぱっり自動販売機と反対の方に向かう、透夜もこれはまずいと感じたのか必死に抵抗する

が、元から普通の男性とは違く母から受け継いだ細く白い体では男はビクともしない

『放して、放してくださいっ！』

急に出た大きな声に驚いたのか男は腕を掴む力を弱めた

その瞬間、男の手を力を込めて振り払いそのまま脱兎の如く駆ける

このまま前に進めばさっきの人達がいる所、そこまで行けばもう安全だ

もう少し、もう少し！

急に体が前に進まなくなる、何かに掴まれてる感覚がある

嫌でもそれが分かってしまう

『あっ、あっ』

さっきの男に追い付かれたのだ

逃げなければ、そうしなければこの男に何されるか分かったものではない

だが体が動かない、否動かせない。震えてきた

「何で逃げるのさ、にしても君ほんとーにキレイだね。まさか男の子だとは思わなかったけど」

『えっ』

驚いた、いつ男だと分かったのか。自分はよく女性に間違われる為不思議で仕方ない

「ま、いいけどねー。君だったらイケそうだし」

言いながら抱き着いてくる男。何がいけそうなのかは分からないが身の危険を感じる

『嫌！放してっ、放して下さい！』

腕の中で抜け出そうともがくが男はさせまいと強く抱きしめてきた

『ふっうっ』

怖さで涙が溢れ出す

もう誰でもいい、誰か助けてくれ

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