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名前と年齢、というワードが出た途端、全員がぴくりと反応した。
これはかなりまずい。
まず名前。
本人には申し訳ないのだが、燭台切なんて変な名前は現代日本にそうそうない。太鼓鐘も大体似たようなものだ。
鶴丸ならギリギリ大丈夫なのかもしれないが、大倶利伽羅に至っては苗字も名前もない。
だからと言ってオオクリ・カラと分けるのも流石に可哀想だ。
そして年齢。
『大体千歳くらいだ』なんて言ってみろ。光の速さで電話を切られるだろう。
そもそも時を二百年ほど遡っている時点で、年齢がどうだなんて言っていられない。
と言うかこいつらは元はと言えば刀剣だ。
もし親方が日本刀に詳しい奴だったらどうする。偽名を使って雇って貰えたとしても、ひとつの失言でかなり面倒臭いことになる。
寿「…ま、まず一人目が、寿敬太です。はい、自分です。あ、ところで質問なんですが…」
寿はしどろもどろに誤魔化しながら、こちらに『何か適当に考えろ』と目で訴えている。
Aは慌ててメモと鉛筆を持って来て、思い付いたら書くように促した。
始めに鉛筆を手に取ったのは燭台切。
寿「今は二十三で…あと、二人目は長船光、年齢は…えっと二十六です」
寿は、オサフネヒカル26、と殴り書きされた紙を読み上げる。
続いて鶴丸もメモ用紙に偽名を書く。
寿「三人目は白井鶴也、はい…二十一です」
シライツルヤ21。
あとは大倶利伽羅だけなのだが、案の定大倶利伽羅の右手は鉛筆を持ったまま固まっていた。
こんな名前じゃ改造の仕様がない。仕方ないだろう。
鶴丸『か…伽羅坊…!何か、何かないのか…』
鶴丸は慌てながら小声で訴える。
しかしその言葉は大倶利伽羅を焦らせるばかりで、大倶利伽羅の右手だけはずっと動かないままだった。
そろそろ寿も誤魔化すのが限界らしい。
貴方「ええい…!」
痺れを切らしたAは、ペンを奪い取ってメモ用紙に字を書き殴る。
そして寿の目の前にばっと突き付けた。
寿を一瞬目を丸くしたが、もう誤魔化せずに読み上げるしか無かった。
寿「えっと、あと最後は…東、研…二十五です」
アズマケン25。
審神者の偽名。
そしていくつかの言葉を交わして寿は電話を切る。
寿「…もうちっと考えてから電話すりゃ良かった」
寿の顔は半笑いであるものの、その奥には少々困ったような表情が浮かんでいた。
〜追記〜
就職はこんな簡単にいかない?現実と違う?やかましいわ!!!これはフィクションだ!!!(真顔
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りなほ@受験生(プロフ) - ありがとうございます(`・ω・´)私自身青江クラスタなのでそう言って頂けるとホントウレシィ… (2016年12月18日 0時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - ↓青一江じゃないです。アオーエです。 (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - もう……本当にこの小説大好きです(笑)寿も東も夢主も大好きだぁー!!東の本丸の青ー江が好きすぎる。更新楽しみにしてます! (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
りなほ@多忙(プロフ) - この話は割と寿中心なのです( ˇωˇ )トラブルメーカーェ…グラサンは大爆笑でした (2016年11月1日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
白鶴(仮)@プリンは犠牲になったのだ - 寿…お馬鹿さんですか、お前は…… グラサンwwそういやそうだったwwwww (2016年10月31日 14時) (レス) id: 064ce5e387 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2016年9月19日 21時