好物頂上決戦【月島 蛍】

経験値の違いは明白。 ページ44

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ホイッスルが鳴って、スターティングメンバーがコートに入っていく。


その様子に、いよいよ試合なのだと心臓がバクバクと音を立てる。




「大丈夫ですかね…」

「決勝は3セット先取の5セットマッチだしな〜…向こうは何度も経験してきたけど、こっちは初めてづくしだからな…」






ピーッと試合開始の笛が鳴って、大地さんのサーブがコートに放たれた。







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ウシワカの強さは、桁違いだった。


左利き。


それが、月島を、そしてノヤ先輩をも苦しめた。





バレーのことをあまり分からない私達に、滝ノ上さんや嶋田さん、月島のお兄さん(明光さん)が解説してくれた。




どうやら左利きは、右利きと回転のかかり方が違うらしい。

それにパワーが加わって、余計に取りづらくなってるのだとか。



そしてブロックは、相手のきき手の正面に飛ぶとなると肩1個分違うから、

いつもの感覚で飛べばどうしても食い違うらしい。







「(…月島、攻撃は読めてるのに…やっぱり慣れないとしんどいんだ)」








結局、ノヤ先輩はセット終盤でウシワカのスパイクを上げることに成功したけど、ブロックは歯が立たず、25-16。第一セットは落とした。






第二セット。

前のセットとは違って、シンクロ攻撃とか決まって、いい勝負を繰り広げていた。


途中、白鳥沢の5番のMBの人がブロックで輝きだした。



どうやら、ゲス・ブロックと呼ばれる、直感と読みが優れたブロックのことらしい。


タイムアウトで月島が凄く嫌そうな顔をしてたのがここからでも分かった。



ウシワカの圧倒的な強さに忘れがちだけど、あの白鳥沢だ。レギュラーが弱いわけがない。




まあ直感だから外れることもあるらしい。何度か日向につられて飛んでいたし…。


1人時間差も、月島に2回目は通用しないから止められてた。

笑顔で煽ってる月島に、私も思わず誇らしげになった。





そして、二セット目後半になってから、月島がワンタッチとることが多くなってきた。


ウシワカのスパイクも、3枚ブロックを揃えてストレートを抜かすことで、


後ろにいるノヤ先輩が確実にレシーブできる『トータルディフェンス』が決まるように。









そして、30-29まで攻防が繰り返された。



白鳥沢の攻撃は、ほぼ月島がワンタッチしていた。



拾い、繋がるボール。








そして、ウシワカに上がったボール。



スパイクは月島の手に当たり、









白鳥沢の、コートに落ちた。

勝負の行方。→←月島のお兄さん。

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