好物頂上決戦【月島 蛍】

春高宮城県代表決定戦。 ページ40

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1試合目、対条善寺。


とにかくはちゃめちゃなチームだった。

第一セット終盤で影山が顔面ブロックをして、鼻血を出すというハプニングが起きたけれど、

2-0で勝利をおさめた。




2日目、対和久南。


守備力と粘り強さがあり、なおかつ、

主将の中島猛さんは、戦い方がかつての"小さな巨人"に似ていると烏養さんは言った。

スパイクの時の角度を変えて、ブロックアウトを狙うスタイル。

月島が物凄く嫌そうな顔してたのが観客席からでも見えた。




そして、大地さんと田中さんの衝突。

大地さんは医務室へ行き、縁下さんと交代。



主将不在ながらも、2-1で勝ちをもぎ取った。







そして、準決勝。対青葉城西。


因縁の相手だと大地さんは言っていた。


練習試合、インターハイ予選、そして今。




インターハイ予選で負けたこと、みんなの雰囲気が違うこと。

『そう易々と勝てる相手ではない』というのがひしひしと伝わってきた。






確かに、そうだった。

烏野が苦手とする熟練感。飛び道具を出してもすぐに対策を練られてしまう。

日向に対しても、コミットブロックすることでコースを絞って対応していた。



そして何より、及川さんの圧倒的強さとセンス。

サーブも腕もげそうなくらい強いし、

スパイカーの使い方が上手かった。素人目線だけど…←





それでも、前回の苦い思い出を覆すように、

烏野も対処を重ねていく。


前回した失敗は、もうしない。






「(月島も、スパイカーに釣られないように必死に考えて動いている…)」






1-1。ファイナルセット。


一進一退の攻防が続いた。






無意識に握っていた手は、汗ばんでいた。








25-24。


烏野のマッチポイントで迎えた最後。






長い長いラリー。


打って、拾い、繋げ、また打って。






「俺に寄越せ」と叫ぶ日向に上がったボールは、







ブロックを弾き、




及川さんの腕も弾いて、落ちた。









2-1。



烏野が、勝った。








「やった…やった！！」



私は仁花ちゃんと、試合を観に来ていた田中さんのお姉さんの冴子さんと抱き合って喜んだ。








「日向、影山！最後凄かったよ！」

「ありがとう！」

「…おう」

「月島もブロック安定してたし、山口くんもジャンフロめちゃくちゃ大活躍してたじゃん！」

「ありがと、(人1)」

「…どうも」









…でも、喜びに浸るのは、束の間。





私達は頭の片隅ですでに明日のことを考えていた。

互いに素直。→←試合開始。

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