髪から滴る。 ページ24
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ポタリ、ポタリ。
私と月島の髪から、滴が落ちていく。
仁花ちゃんが慌てて水を止めたのが見えた。
ホースに足が絡まった日向は尻餅をついて、
その後、私達を見て顔面蒼白になった。
「ひぇ!ふぁ、あ、ふふ2人とも!ごめんなさい!」
「…大丈夫だけど、水圧って痛いんだね…当たってたとこ地味に痛いわ」
チラ、と月島を見る。
うわ、凄い形相。何人か人殺めてそうなくらい怖い。
隣で山口くんが「ツッキー大丈夫!?」って言ってるけど視線は日向に注がれたまま無視されてる。
「…ホント最悪。小学生以下なの?日向にも水かけてあげようか?ねぇ、」
「ヒッ…ご、ごごごめんなさ、」
「そこは土下座デショ?」
「月島、怒ってんのか面白がってんのかどっちなのアンタ」
日向も悪気ないんだし怒っても仕方ないじゃん、と場をなだめる。
甘すぎでしょ、と睨まれたけどこれ以上は日向がかわいそうなだけだ。
あれ、やっぱり甘いのか…
「亀野さんも月島も、大丈夫?これ、もらってきたから拭きなよ」
「あ、えっと…赤葦、さん!ですよね?ありがとうございます!」
「…すみません、ありがとうございます」
たまたま近くにいた赤葦さんがタオルを渡してくれたので、受け取ろうとする。
と、その前に、前髪が張り付いて見えにくくて、どうせ拭くし、と思い前髪をかきあげる。
そして、ビショビショになったシャツと下に着ていたキャミを同時に絞る。
「あ、ごめんなさい赤葦さん、タオルください」
「…」
「赤葦さん?」
「あ、ごめん。どうぞ」
いつもよりちょっと大きく開いた目に少し首を傾げながらタオルを受け取ろうとしたその時、
パシリと横から伸びてきた手にタオルを掴まれた。
「…え、月島?」
「こっち」
「うわ、ちょ!?」
「谷地さん、後ヨロシク」
「あ、うん…?」
私は突然月島に腕を掴まれ、
グイグイとどこかへ引っ張られていった。
「月島、ねえ、」
「なに」
「手、痛い、離して、」
「無理」
やがて、一つの空き教室にたどり着き、
私はそこに放り込まれた。
カシャン、と鍵の閉まる音が響いた。
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なづな - 完結おめでとうございますっ!楽しく読ませて頂きました。後半の月島のデレにやられました…後、赤葦くんも好きなのでちょこちょこ出ていて嬉しかったです!体調などに気を付けてこれからも頑張って下さい!無理だけはしないようにして下さい。応援しています(*^-^*) (2020年4月29日 0時) (レス) id: c89830493e (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 亀さんさん» コメントありがとうございます!おぉ!気づいてもらえて嬉しいです(^ ^) 実は仕様なんですよね… 絶対結婚しますので式にはぜひご参加ください( ・∇・) そしてそのケチャップを月島くんに拭いてもらうんです(無限ループ) ありがとうございます頑張ります!! (2020年4月15日 22時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - しぃらさん» そして体調面や仕事の面も気遣ってくださりありがとうございます!体調のほうは大丈夫です。毎日ピンピンしてます笑 仕事の方はまだかなりしんどいです…でもこうして小説読んでくださってる方とやりとりできるのでストレス飛んできます笑 次回もぜひ読んでくださいね! (2020年4月15日 22時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - しぃらさん» コメントありがとうございます!仕事落ち着きましたのでやっとですがお返事返させてもらいます(^ ^) そうです、後半はひたすらにデレさせました。デレ6くらい← 絶対幸せな家庭を築くと思います…式にはぜひ参加ください笑 (2020年4月15日 22時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
亀さん - 完結おめでとうございます!今更ながら夢主の名字に運命を感じました←幸せな夫婦になりそうですね二人ははよ結婚して式にはよんでね((ツッキーのデレご馳走さまでしたおおっと鼻からケチャップが…()ありがとうございました!これからも頑張ってください! (2020年4月13日 12時) (レス) id: 99a2eebfea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2020年4月1日 20時