好物頂上決戦【月島 蛍】

兄ちゃんと遭遇。 ページ19

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「あつ〜〜〜…」

「オイ(人1)、ケーキ買いに行こーぜ。ウチの近くに出来たって話題のとこの」

「え〜だる…兄ちゃん1人で行ってきなよ…」

「お前の分兄ちゃん奢ってやるから！」

「行きます」








夏休みが始まった。


明日の夜中に東京遠征合宿に出発するから、今日と明日の2日間、部活は休みになった。


多分日向、影山辺りはどこかでバレーやってそうだけど。←



そんなわけで、休みだけどすることもなくて。

宿題やればいいって大地さんは言ってたけど全然進まなくてやめた。


そしたらちょうど仕事休みが重なった兄ちゃんがドアノックもせずに部屋に入ってきた。ノックしろや。




甘い物大好きな兄ちゃんは、女子並みにこういう情報に詳しい。

まあ奢ってもらえるのはラッキーだ。私は重たい腰を上げて出かける準備をした。








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出かけるのを後悔した。

やっぱり奢らなくていいから1人で行きなよ、って言えばよかった。





「どうして休みの日なのに憎き相手に遭遇するかなぁ……家にいなよ」

「それはこっちのセリフなんですケド」

「ここイートイン出来るしケーキ美味しいって評判で前からツッキーと、来てみたいねって言ってたんだ」

「山口、うるさい」

「ごめんツッキー！」






山口くんのお決まりのセリフの後、私はため息をついた。



兄ちゃんとディスプレイに並んだケーキとかシュークリームとか見てたら後ろから名前呼ばれて。


振り向けば、苦笑いした山口くんと、



チッ…て小さく舌打ちしてこちらを嫌そうに見る月島がいた。



いや休みの日まで一緒とか2人仲良すぎか。






「ていうか、(人1)と一緒に来てる人…彼氏？」

「え、は…？」

「山口、冗談キツいから。このチビに彼氏なんかいるわけないデショ」

「眼鏡かち割っていい？」








私が月島に手を伸ばした時、

ディスプレイを眺めてた兄ちゃんがこっちに来た。








「何してんだよ(人1)。いつの間に離れてくなよな〜」

「あ〜ごめん兄ちゃん」

「え、兄ちゃん！？」

「お？誰だお前らナンパか？我が妹は渡さないぞ〜」

「ちょっと黙って兄ちゃん」








私は兄ちゃんに2人を説明する。

同じ部活の人だって。

山口くんも月島も、初対面の兄ちゃんに軽く挨拶してくれた。







すると気を良くした兄ちゃんは、笑顔でこう言った。








「ケーキ食いに来たんだろ？なら一緒に食おうぜ」







私は心の中で兄ちゃんを呪った。

タルトの味。→←その背中は、どこか。

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