好物頂上決戦【月島 蛍】

絵に描いたようなツンデレ。 ページ13

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月島side









『けど、その、近い…』








頬と耳がだんだん赤くなっていく亀野に、

僕は固まるしかなかった。






梟谷のエースのスパイク。

地面に一度叩きつけられたボールが、バウンドしてこちらに向かってきた。





山口のうるさい声が響いて、見れば、亀野の顔面目掛けて飛んできている。




当たれば、まずいと。

咄嗟の判断だった。







でも、僕は何をした？


左手だけを伸ばして、庇えば良かったのに。






腕を引き、後頭部に手をまわすなんて。


冷静になった今、なんて大胆な行動をしたのだと嫌悪感に苛まれる。







そして、何とかボールをやりすごし、まあ僕のおかげで絶対にないと思うけど、怪我の有無を聞けば、この有様。




ポカーンと固まって、その後に我に返って下を向いた亀野。








「…なに、その反応」

「べ、べべ別にっ、何もッ」

「へえ、ウブだねキミ」









新鮮だった。





何かと僕に食ってかかって、威嚇して。






だから、"そんな表情(・・・・・)"は見たことがなかった。






「(へえ…)」









ぶっちゃけショートケーキが嫌い、生クリームの甘さが嫌い。良さが分からない。



そう言い放った亀野は、僕は好きじゃない。


だって普通は自分の好物をとやかく言われたくないわけだし。



いつもは喧嘩をふっかけられてもどうでも良かった僕でさえ、ムカチンとくるほどにムカついた。







僕は挑発するのが得意だ。言い負かされるのが嫌いだ。



だから、だからこそ。歯向かってくる亀野に、負けたくなんかない。









「いや何急に大人しくなってんの」

「…別に、」

「さっきからそればっか…どうせウブだから、僕如きに至近距離で、照れ」







照れてるんだろ、


そう言おうとした時、突然突き飛ばされた。








「っは、」


「だ、誰が月島なんかに照れるワケ〜〜？絶っっっっ対に違うから！！

自意識過剰じゃない？バーーーカ！」









亀野は勢いよく喋った後、僕を残し息を切らして戻っていってしまった。

渡すはずのドリンクを持ったまま。









「…何あれ。めちゃくちゃ動揺してるし。

絵に描いたようなツンデレじゃん」





うっすら、心の中で笑った。









＊最高12位感謝です！これからもよろしくお願いします！


それと稲荷崎戦のPV見ました？

私めっちゃ見ました。尊い。角名倫太郎の『言いましたね』が好きすぎる。

明日は命日です(白目)

探し始めた1日目。→←左手の甲。

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