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多肉ちゃんを並べながら丸山さんはいろいろな話をしてくれる。
丸山さんの話ってイチイチ効果音までつけるから面白くてげらげら笑ってしまうんよね。
「でもさ、すば るくんと初めて会った時に恋に落ちるってドラマみたいよな。」
「そうなんですよ、雷に打たれたとはまさに！あ、でも打たれたことはないんやけど。」
「どっち！」
「打たれたことないんやけど、それくらいの衝撃なんですって。」
「一目惚れねぇ。」
新しく来た多肉ちゃんを置きながらいると、丸山さんはうっとりしながらサボテンを眺めだした。
「あんなきつい言い方しながら、ものすごくベッドで優しんですよねぇ。」
え？そんな話を俺にする？
「あーんなすば る、こーんなすば るもたまらなくて。あの声でそんなこと言っちゃうの？え？って、言われてほんまにどうしたらええと思います？」
「普通にしていればええと……」
「そんな、普通なんて無理！」
ほんまにどっちなの？頬を押さえて真っ赤になってじたばたしているんやけど、ホコリが立つから止めて、まじめに。
「忠義くんはそう言うのってあります？」
「俺？」
「そうそう、好きな子に甘えられれたら……そりゃもうって！」
この人のテンションたまに怖くなるんやけど。
「ないなぁ。」
「ない？なんで？」
「なんでって……言われてもそういう感じがない。」
「ヒモしてたじゃないですか？」
「あれはさ、生活のためでそれなりにするけど恋愛感情はないよ。」
「うそん。」
「楽だなー、快適だなー。これが優先。」
「意外な言葉や。」
「やて、衣食住頼って何もしないなんてそれは失礼やん。好きでなくてもご奉仕はしますって。」
「好きでなくてもって出来るもんなん？」
真面目な顔で質問されるんやけど。
「できない人は出来なと思うで。俺は、その……生活のためにそっちで稼いだ時も、ね。」
曖昧な言い方をするのはきっと調査会社で知れている事で、丸山さんも小さくうなずいて「あぁ……」って返事を返す。
「苦労しているんですね。」
「でも、元気だけど。」
「元気は関係ないかと。」
「関係ないかな？」
「僕も元気ですし。」
「そうやね。」
思わず笑って多肉を並び終えた時やった。
温室のドアがいきなり開いて俺以外におった人を見て思いっきり驚いていた人がそこにいた。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年11月17日 16時
