mystery...10 ページ10
『初めまして！
江古田小学校から転校してきました、安室 Aです。
よろしくお願いします!!』
シンプルかつ、変な疑いがかからないように普通の自己紹介をした……つもりだったが、約二名ほど視線を鋭くした者がいた。
「じゃあ、一時間目は質問タイムにしまーす!!」
「やったぁ〜!!」
面倒なことしないで欲しいなぁ、なんて言葉は飲み込んで、笑顔を作る。
「じゃあ、Aちゃんの席は、哀ちゃんの後ろね」
哀ちゃーんと呼びながら先生は窓側の一番後ろの席を指差した。
呼ばれた子はゆっくりだけれどしなやかに手を挙げた。
小林先生には礼を述べて、小学生とは思えないほどの雰囲気を纏う哀ちゃんという子の後ろに腰をかけた。
(嗚呼、この子がシェリーだったか。…ということはこの男の子が工藤くんか。)
いつもの癖で思考の世界へと意識が飛んでいたようだ。
まるまるとふくよかな子が私の机をばんっと叩いてくれたことで意識は浮上し始めた。
「あの、大丈夫ですか？」
『え、ううん。平気！
ただちょっと昨日の引っ越しで疲れちゃったみたい。
ごめんね、心配かけて……』
えへへ、と苦く笑えば、大丈夫ですよ、気にしないでください！と微笑み返された。
「あの！Aちゃんって、安室さんと知り合い？」
『えっと……、君は？
それと安室さんって？』
「わたしは吉田歩美！」
「僕は、光彦です！そしてこっちが、元太くんです！」
よろしくな！
と声を上げた彼は何かをむしゃむしゃと頬張っている。……あれ、給食はまだ……。まあ、いいか。
「ほら！コナンくんも自己紹介しなよ！」
「そうですよ!!」
「ｺﾎﾝ……俺の名前は―」
『あ、ごめん知ってる。
江戸川コナンくんだよね？あと、そちらの子は、灰原哀ちゃんで合ってるよね？』
面倒になってしまったので自分の口から言うと、目を輝かせる３人に対し、眉間に皺を寄せ、怪訝な表情になる二人。
(あーぁ、ポーカーフェイス下手くそだなぁ。ひとのこと言えないけど...。どっちにしろ、零兄ちゃんにまだまだだ、って鼻で笑われてしまう!!)
嫌な空気が流れるなか、歩美ちゃんが声を上げた。
やっぱり、子供は凄いなぁ。まあ……同い年なんだけど。
「あ！そうそう!!安室さんっていうのは、喫茶店ポアロで働く優しくて格好いいお兄さんのことなの！」
零兄ちゃんと、透兄ちゃんの差ありすぎでしょ。
いやあ、この子から見た透兄ちゃんの印象を本人に、いや、風見さんに聞かせてやりたい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 221人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
壟薇 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月19日 3時) (
レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです！次のお話も楽しみにしています！頑張って下さい！ (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
