mystery...9 ページ9
零兄ちゃんの作ってくれた朝食を食べ、支度を済ませる。
ちょっと早いけど、学校まで送っていく
と言われ、いつの間にか用意されていたランドセルを背負って、零兄ちゃんの車に乗り込んだ。
「もう学校の方には話を通してあるから」
『了解。
……もちろん、零兄ちゃんが保護者だよね?』
「当たり前だ」
その返答に嬉しさがこみ上げてきた。
さっきの不機嫌はどこへやら……だ。自然と顔が綻ぶ。
「どうした?何か嬉しそうじゃないか。
あ、もしかして、実は楽しみだったり―」
『違う』
ちょっとだけ食い気味にいい放つ。
「楽しみじゃないのか?東の高校生探偵工藤新一がいるのに?」
『何言ってんの?今から行くのは小学校でしょ。……と言いたいところだけど、何て名前なんですか?教えてください。お願いします』
「ははっ……良い気味」
『聞こえてます』
「何か言った?」
『いえ、何とも』
「江戸川コナン。嗚呼、あと灰原哀っていう子は組織にいたシェリーだ」
『組織脱退……ってこと?』
「いや、詳しいことは家に帰ってから話すよ。
あと、それと―――」
その他、学校のことについていろいろ教えてもらった。
少年探偵団という5人組の面倒な組織があること。
1年B組で担任は小林先生だということ。
「転校前の学校は、前に日本にいたときの所だから……はい、到着。
いってらっしゃい」
『じゃあ、ポアロで待ってるから。
いってきます』
お仕事頑張って!
それだけ告げて、車から飛び降りた。
透兄ちゃんの車が小さくなるのを見送ってから、校門を潜った。
***
「じゃあ、合図を出したら入ってきてね!」
そう言って、私に背を向け、教室に入っていったのは担任の小林先生。
目の前にはぴっちりと閉まったドア。この向こう側に元組織の一員と、高校生探偵がいると思うと、胸踊る。
緊張を解すかのように深呼吸を何度か繰り返すと、丁度教室の中から合図が送られてきた。
小学生には似合わない笑顔を必死に隠しながら、扉を開け、教室に足を踏み入れた。
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壟薇 - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月19日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです!次のお話も楽しみにしています!頑張って下さい! (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
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