mystery...25 ページ25
『透兄ちゃんただいまっ!』
車の扉を開けて勢いよく駆け込めば、営業スマイルを浮かべた透兄ちゃんの姿。
相も変わらず、安室透を演じ切っている。
「A、おかえり。あれ?歩美ちゃんも一緒なのかい?何か怪我でもしたのかな?」
『ううん、違うの。作戦会議!』
おじゃまします、安室さんこんにちは!と元気よく挨拶をした歩美ちゃんに微笑みかける透兄ちゃんに、小学一年生らしい言葉で伝えると、呆れたような顔をしてはぁとため息をつかれた。
『とりあえず、歩美ちゃんをお家に送りたいです!!』
「お願いします!!」
「わかりました。歩美ちゃん、道案内お願いできますか?」
「任せて!」
ニコニコと笑顔な歩美ちゃんとバリバリの営業スマイルな透兄ちゃん。
ちらちらと声を掛けながらもバックミラーでこちらの様子を確認している透兄ちゃん。
『よし、じゃあそれで決まりだね!』
「うん!!
Aちゃんありがとう!でも、……うまくいくかな?」
『大丈夫!私がついてるもん!!』
「そっか!そうだよね!!あ、……ここです!」
歩美ちゃんとお別れをし、本庁へと車を走らせる。
「A、一体何を企んでいるんだ?」
『なーんにも。ただ、』
「ただ?」
『うーん……やっぱり秘密!』
にこりとイタズラな笑みを浮かべて、車を降りる。
それはそうと今日は何のために、ここまで来させられたのか。はて……、仕事はあっただろうか。
『あ、風見さんだー!』
わあーっ、と駆け寄ると、少し周りを気にするようなそぶりをしながらも抱きかかえてくれた。
「Aさん、お久しぶりです」
『風見さん、来日以来だね!!……とはいっても昨日の今日、みたいな日付だけど』
「そうですね、あれ?降谷さんは……?」
『零兄ちゃんなら、もうちょっと後で来るよ?組織から連絡来たって』
「そうですか。そうだ、Aさんのデスクに案内いたしますよ」
『え……。デスクとかいらないんだけど。バリバリ書類仕事させる気じゃん!!日本来てまで仕事したくないー!!』
「何を仰っているんです。周りの目を見てください。あなたが何者かという所から説明しなくてはなりませんし、仕事をしないのであれば、条件が違うと降谷さんが仰ると――」
「俺がどうかしたのか?」
「い、いえ……」
『あ、零兄ちゃんお帰りー!
あのさ、ここの人たちに私のこと説明してないの?』
首をかしげながら問えば、そういえばと声を上げ、周りに説明をし始めた。
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壟薇 - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月19日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです!次のお話も楽しみにしています!頑張って下さい! (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
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