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あれからとしみつさんは週末の夕方になるとお店にやって来るようになった。
その頃には他のお客さんも来ることは少なく、2人で話す事が増えていた。
話しているうちにとある事が発覚した。
それはお互い同い年であったこと。
また私達が話していると、としみつさんから「もうタメで話しなよ。名前も呼び捨てでいいから」と言ってきたが、ちょっと恥ずかしかったから、としみつさんの事を「としくん」と呼ぶことにした。
『としくん、今日の撮影何だったの?』
と「今日はしばゆーのゲテモノ料理を試食する回だね。マジで死にそうだった…」
『そうなんだ…大変だね』
と「だから口直しで五平餅ってわけ」
『いつもありがとね』
と「マジでこの五平餅は、俺の為に作ってくれたもんだろ」
『としくん大袈裟だよ』
と「それに…」
『……?』
と「Aにも会いたかったし」
え?私に会いたかったって言った?気のせいだよね?
私はとしくんの言葉を聞いてきっと顔が赤くなってると思い下を向いた。
いやいや考えすぎだろ!顔を上げると、としくんも少し顔を赤くしていた。
と「な、なんかあった?」
『ううん!なんでもない!』
と「顔真っ赤だよ。大丈夫?」
『だ、大丈夫だよ!』
としくんに見られてしまった…恥ずかしぃ……
ピロン/
と「……ゲッ!!」
『どうしたの?』
と「今日の動画投稿俺だったの忘れてた…編集終わってねぇ…」
『大変じゃん!早く終わらせないと!』
と「あぁ。今日もご馳走さん!」
『うん!気をつけてね』
としくんが店から出ようとすると、立ち止まり私の方に振り返った。
と「……A、よかったら連絡先交換しない?」
『……いいの?』
と「もちろん。俺もっとAと話したいから」
と言うも、としくんは目線をずらしてまた顔を赤くしてた。
『うん!良いよ!』
私達はお互いのLINEを交換した。
と「ありがと。また来るから」
としくんは私に笑みを見せて店から出た。
としみつside
俺は編集の為自宅に戻った。
いつも通りに編集するも作業が進まん。
さっきからAの顔が頭から離れない。
早くAの声が聞きたい──
早くAに会いたい──
最近はこの事ばかり考えてばかりだ。
これってまさか──
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2021年8月18日 22時